2014 Fiscal Year Research-status Report
代数的グラフ理論とスペクトラルグラフ理論を用いたグラフの構造解明
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25400217
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 哲至 広島工業大学, 工学部, 准教授 (90543728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 代数的グラフ理論 / 代数的組合せ論 / 固有値 / グラフ / 代数構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.【内容】Betheグラフのライングラフの特性多項式を決定した。 【意義】これはCvetkovic氏、Stevanovic氏らの考えているコロナグラフの拡張である。コロナグラフは固有値の値を変えない無限系列の例であり、彼らはコロナグラフの他に存在するのか問題にしていた。この様なグラフの分類・特徴付けはこの研究領域の目標である。固有値を変えない無限系列を一つでも見つける事は意義のある研究である。 【重要性など】固有値を変えずにグラフが大きく出来るかどうかは、代数的グラフ理論では重要な問題でありながらも、さほど進展してこなかった。その様なグラフがあまり知られていなかったが、本研究により、より大きなクラスの発見に至った。 2.【内容】最小固有値が-2よりも大きな辺符号グラフの分類・特徴付けを行った。 【意義】通常のグラフについての先行研究がある。このようなグラフはルート格子との対応がつく。最小固有値が-2よりも大きなグラフの分類は、ルート格子の基底の分類と同等であるので、そもそも意義のある研究領域である。この先行研究では内積が0と1に限る。実際は逆向きのベクトルもあるので、本来は-1まで考えるべきである。今回は辺に符号をつけることで、この様な研究の意義を高めた。 【重要性など】ルート格子の大まかな分類はよく知られている。基底をよく知ることで構造の詳細を知ることは極めて重要であると言える。本研究では、「グラフ」の言葉を使うことで、その詳細を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画で記述している項目は、すべて達成出来た。 また平成27年度(本年度)の計画の大部分が解決できている。 平成25年度の研究計画で「距離正則グラフのホフマングラフによる構成法」について述べているが、デザイン理論の分野にまで及ぶかなりの難問であることが分かってきた。この研究が未だ進展していないとしても、他の問題が考えている以上に成果を得ることが出来ているので、「当初の計画以上に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究計画に挙げた内容は概ね解決した。 しかしながら、本研究を解決する過程で、「すべてのtotally real algebraic integerは、ある特別なtreeの固有値になっているのではないだろうか」という疑問が生じたため、 この問題の解決を目指す。
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Causes of Carryover |
概ね当初計画通りに予算を執行しているが、旅費の精算に伴う未使用額が生じ、次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度分の旅費に使用する。数学研究費のほとんどは旅費となるので、大きな変更は予想しにくい。
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Research Products
(8 results)