2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400236
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
北山 哲 東邦大学, 理学部, 教授 (00339201)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 銀河団 / X線 / ミリ波サブミリ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年4月に運用を停止したX線天文衛星「ひとみ」が事故前に取得していた希少な観測データから可能な限りの科学的情報を引き出すための系統的な解析と考察を行い、その結果を論文として出版した。主な成果としては、1)ペルセウス座銀河団中心部における高温電離ガスの運動速度が、100~200 km/s 程度の値でほぼ一様に空間分布していることを初めて明らかにしたこと、2)同領域において、ヘリウム型鉄イオンによる輝線が共鳴散乱を受けていることを明確に示したこと、3)同領域における重元素組成比が、太陽近傍と整合することを初めて明らかしたこと、4)同領域のガスに対して、衝突電離平衡からの有意なずれは認められないことを示したこと、5)ペルセウス座銀河団中心に存在する活動銀河核において、蛍光鉄輝線の放射が、ブラックホールから約5000光年以内の領域から生じていることを示したこと、6)これらの成果に対する検出器由来の系統誤差、および既存のプラズマモデルに起因する不定性などを系統的に明らかにしたこと、などが挙げられる。これらは、マイクロカロリメータを用いた高分解能X線分光観測が、銀河団や活動銀河核の強力な研究手段となることを実証したものといえる。 また、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計ALMAによる観測データを用いて、計4つの重力レンズ銀河団方向における輝線放射天体探査を行い、赤方偏移0.3, 0.7, 1.2, 6 における CO(3-2), CO(4-3), CO(5-4), [CⅡ] 放射天体の光度関数にそれぞれ制限を導いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線衛星ひとみやアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計ALMAなどによる最新の観測データを活用した研究成果を得ることができた。研究期間開始時から現在までに、計21編の査読論文が国際的な学術誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
X線天文衛星「ひとみ」が取得したデータを用いて、銀河団中における重元素量の空間分布を明らかにする研究などを進め、得られた成果を論文として出版する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、これまでに得られた研究成果に関する招待講演の依頼が2件あったが、1件は主催者から旅費が支給され、1件は勤務先における業務のために講演依頼を受諾することがかなわなかっため、旅費の残額が増加した結果、次年度使用額が生じた。平成30年度は、これまでに得られた研究成果を更に拡張したり、成果を発表したりするための費用として使用することを計画している。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] ALMA 3mm帯データを用いた無バイアスのミリ波輝線銀河探査2018
Author(s)
李建鋒, 河野孝太郎, 廿日出文洋, 山口裕貴, 山下祐依, 早津夏己, 大栗真宗, 梅畑豪紀, 北山哲, 上田周太朗, 田村陽一, 松田有一, 赤堀卓也
Organizer
日本天文学会2018年春季年会
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[Presentation] 「ひとみ」によるペルセウス座銀河団の高温ガスの速度場の測定2017
Author(s)
上田周太朗, 一戸悠人, 藤本龍一, 井上翔太, Caroline Kilbourne, 北山哲, Maxim Markevitch, Brian McNamara, 太田直美, Scott Porter, 田村隆幸, 田中桂悟, Norbert Werner
Organizer
日本天文学会2017年秋季年会
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[Presentation] Phoenix 銀河団におけるALMA 3mm帯データを使ったミリ波輝線銀河探査2017
Author(s)
李建鋒, 河野孝太郎, 廿日出文洋, 山口裕貴, 山下祐依, 早津夏己, 大栗真宗, 梅畑豪紀, 北山哲, 上田周太朗, 田村陽一, 松田有一
Organizer
日本天文学会2017年秋季年会