2013 Fiscal Year Research-status Report
ドリップライン近傍での変形共存と新しいタイプの中性子ハローの研究
Project/Area Number |
25400240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 真明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402813)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不安定核 / 中性子ハロー |
Research Abstract |
今年度は、以下の2課題を行なった (1)35Mg, 37Mgの低励起スペクトルの解析と、1中性子ハロー核の性質解明 反対称化分子動力学を用いて、35Mg, 37Mgの励起スペクトル、励起エネルギーおよび電磁遷移確率を求めることで、変形共存の様相を調べた。更に束縛状態に対しては共鳴群法を用いた解析を行ない、1中性子ハロー構造の存在の有無を検証した。その結果、37Mgではsおよびp波のハロー構造が現れる可能性を示した。得られた波動関数を元に、Mg同位体の反応断面積の系統的評価を行ない、実験との比較を行なった。 (2) R-matrix法を用いた、酸素同位体の共鳴状態・散乱状態の記述 反対称化分子動力学+共鳴群法で酸素同位体の非束縛核を記述し、R-matrix法を適用することで、非束縛核の共鳴状態・散乱状態の記述を試みた。今年度は、理論的枠組みの構築および必要となる計算プログラムの作成を中心に行なった。25Oについて実際に計算を実行し、その共鳴状態のエネルギーおよび崩壊幅の導出に成功した。ただし、観測されているデーターと理論結果との差が大きく、用いる相互作用に改善の余地があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた2課題のうち、(1)35Mg, 37Mgの低励起スペクトルの解析と、1中性子ハロー核の性質解明 については、予定を上回って研究が進展した。一方、(2) R-matrix法を用いた、酸素同位体の共鳴状態・散乱状態の記述 に関しては、当初計画は達成したものの、想定していなかった問題(有効相互作用を改善する必要性)が出てきたため、その対応が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、有効相互作用をの改善を行なうことで、非束縛核の共鳴状態・散乱状態の正確な記述を達成することが必要である。その上で、当初の計画通り、 (1)35Mg, 37Mgの基底ー励起状態間の遷移密度の決定 (2)R-matrix法を用いた、変形した原子核の共鳴状態・散乱状態の記述 を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、計算機を購入予定であったが、設置場所の確保が間に合わなかったため、購入を次年度に繰越すこととした。 設置場所を確保した上で、計算機購入に充てる予定
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Research Products
(4 results)