2015 Fiscal Year Annual Research Report
ドリップライン近傍での変形共存と新しいタイプの中性子ハローの研究
Project/Area Number |
25400240
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 真明 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50402813)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 中性子ハロー / クラスター / 核半径 / 陽子分布半径 / 変形共存 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、1) 中性子過剰なSi, S同位体における変形共存現象の研究と2)中性子過剰なネオン同位体における陽子半径の中性子数依存性に関する研究とを実施した。 (1) 中性子数過剰なSi, S同位体においては、安定核での魔法数N=28が消失し、それに伴って四重極相関が強くなることで様々な形状を持つ変形常態が低い励起エネルギーに共存することが予想されている。そこで、反対称化分子動力学を用いた数値計算を行い、中性子数が26~30のSi, S同位体の低励起スペクトルを解析した。その結果、中性子数が27以上の系では、基底状態で魔法数28が消失しており、さらにプロレート型、オブレート型、三軸非対称型の3つの変形状態の共存が起こることを示した。また、魔法数消失を示す観測量として、磁気双極モーメントと電気四重極モーメントの値を求め、理論的予測を行った。 (2) 中性子過剰なNe同位体では中性子数20が消失し、基底状態で巨大変形が起こることがよく知られている。安定核である20Neはクラスター構造を持つため、中性子過剰なNe同位体は、巨大変形に伴って、クラスター構造がさらに発達する可能性がある。それを示すために、陽子半径に注目した。反対称化分子動力学を用いた数値計算により、中性子数の変化と共に陽子半径がどのように変化し、クラスターがどのように発達するのかを調べた。その結果、中性子数16までは陽子半径が減少するものの、それより多くなると、陽子半径は増加傾向に転じ、巨大変形が起こる中性子数20近辺の核では、クラスターが良く発達することを示した。
|
Research Products
(9 results)