2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400250
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
青木 真由美 金沢大学, 数物科学系, 助教 (70425601)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノは、eVスケール以下の非常に小さな質量を持つ粒子であるが、その質量生成のメカニズムについては、素粒子標準模型の枠内では説明することができない。本研究では、標準模型を拡張し、量子効果によってループレベルでニュートリノに質量を与える輻射シーソー機構に注目する。輻射シーソー模型では、ツリーレベルのニュートリノ質量生成を禁止するため、離散対称性がしばしば課せられるが、その対称性は同時に暗黒物質の安定性を保証する可能性がある。本年度は、そのような対称性が複数存在するために、複数の粒子が暗黒物質となる新模型を提案した。模型の大枠は、前年度に我々が発表した"A two-loop Radiative Seesaw with multi-component Dark Matter explaining the possible gamma Excess in the Higgs decay and at the Fermi LAT", M.Aoki,J.Kubo, H.Takano, Physical Review D 87, 116001 (2013) に基づく。我々は、暗黒物質がフェルミオンを含む3種類の粒子の場合を議論し、観測されている暗黒物質の残存量を再現するには、semi-annihilationと呼ばれる対消滅過程が重要な役割を果たすことを定性的に確認した。また、暗黒物質の直接検出や間接検出について解析を行うことで模型の検証可能性を議論をし、これらの研究成果を論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニュートリノ質量を説明する新模型において多成分暗黒物質の新たな可能性を議論し、研究成果を論文として出版することが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
多成分暗黒物質を予言する他の新物理の可能性を探っていく。特に大型ハドロン加速器(LHC)で発見されたヒッグス粒子が鍵を握るような新物理を議論していく。
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Causes of Carryover |
予定していた共同研究者との研究打ち合わせの日程が調整出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究者との研究打ち合わせの旅費として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)