2013 Fiscal Year Research-status Report
現実的な超弦理論の低エネルギー有効理論とその対称性について
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25400252
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
小林 達夫 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60322153)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 超弦理論 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は、超弦理論から導かれる低エネルギー有効理論を研究し、現実世界を導出するために必要な現象論的性質がどのように再現できるかを調べていくことである。
本年度は、まず様々なD-ブレーン模型においてフレーバーの構造を解析し、どのようなフレーバー対称性が現れるかを系統的に解析を行った。同時に数値的な解析も進めて、クォーク・レプトンの質量や混合角の再現を試みた。さらには、D-ブレーンインスタントン効果を研究し、摂動論の段階で現れるフレーバー対称性が非摂動論的効果により、どのように破れるかを解析した。具体的には、そのような効果で右巻きニュートリノの質量項の生成を計算し、興味深い結果を得、レプトンセクターにおいて大きな混合角が自然に実現することを示した。さらには、離散的フレーバー対称性のアノマリーに関しても系統的な解析を行った。
また、オービフォルド上のヘテロ型超弦理論から導かれる離散Ｒ対称性を研究し、これまで知られていたＲ電荷への補正が必要であることを示した。その離散Ｒ対称性のアノマリーも具体的に数千の模型について解析し、ユニバーサルなアノマリーの関係式が存在することを示した。
さらには、ヘテロ型超弦理論のaymmetric orbifold コンパクト化を試み、新たな模型の構成を系統的に行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特定のコンパクト化を行ったときの超弦理論から導かれる低エネルギー有効理論の様子が着実に分かってきた。フレーバー構造を支配する対称性の解析は期待通りに進んでいる。しかし、Ｄ-ブレーンインスタントンを導入した際に、フレーバー対称性がどのように破れ、またその際右巻きニュートリの質量項がどのようなパターンで生成されるかについては、予想以上の成果をえることができた。Ｒ対称性の定義については解析も順調に進展したが、具体的な模型についてそのアノマリーを解析し、特別な関係式を得たことはやはり予想以上の成果である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度成果をもとに今後の研究を進めていく。まずは、D-ブレーンスンスタントン効果により、フレーバー対称性を一部破り、どのようなパターンの右巻きニュートリノの質量行列が生成されるかを本年度は解析したが、同様な非摂動論的に効果により、摂動論以外の湯川結合の生成の様子やヒッグス質量の生成の様子、さらにはアクシオンの質量やポテンシャルの生成の様子を系統的に調べていく。さらには、クォーク・レプトンの質量と混合角の導出について数値的な解析を行っていく計画である。さらには最近様々な宇宙の観測結果が出ている。われわれの得た超弦理論の低エネルギー有効理論の宇宙論的な意味についても今後研究を進めていく計画である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究発表する重要な場が国際会議であり、例年最低一度は海外でのそのような国際会議に出席し、研究成果を発表してきたが、昨年度は国内で重要な国際会議が開催かれたため海外渡航の旅費を使用しなかった。また、昨年度２月中旬から北海道大学への異動することが決定したが、以前在籍した京都大学にも複数の共同研究者が存在し、今後研究打ち合わせのための旅費が今まで以上に必要であることが予想できたので、次年度へ繰り越した。
上述のように昨年度２月中旬に北海道大学に異動となったが、以前在籍した京都大学に複数の共同研究者がある。また、早稲田大、名古屋大、九州大にも共同研究者が存在し、その研究打ち合わせにこれまで以上に旅費が必要となるので、その旅費等に使用する計画である。
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Research Products
(15 results)
