2013 Fiscal Year Research-status Report
宇宙論的観測によるニュートリノ総質量の決定及び質量階層性問題の解決
Project/Area Number |
25400264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
平野 耕一 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00558140)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙論 / ニュートリノ / 宇宙背景放射 / 構造形成 / 素粒子論 |
Research Abstract |
本研究の目的は,将来の宇宙論的観測によりニュートリノの総質量がどの程度制限されるかを見積もることにより,ニュートリノの質量の決定について示唆を与えることである. 平成25年度は,Planck 衛星による宇宙背景放射のBモードと,BigBOSSサーベイによる銀河のパワースペクトルの観測の組み合わせにより,ニュートリノの総質量がどの程度制限されるのかを見積もるところまでを行った. ここで,ニュートリノ質量の決定の重要性について述べる.現在の素粒子標準模型では,ニュートリノの質量は0と仮定されているが,ニュートリノ振動実験より,ニュートリノは有限の質量を持つことが報告されている.また,最近の地上実験や宇宙論的観測等から,ニュートリノが質量を持つことを支持する結果が蓄積されつつある.ニュートリノが質量を持つということは,素粒子標準模型の限界への示唆であり,ニュートリノの質量を決定することは,素粒子標準模型を超える物理に迫る手がかりとなり得るため,極めて重要である. ニュートリノの総質量決定の手段として近年注目されている宇宙論的観測は,有質量ニュートリノがあった場合の重力による影響を直接受けるため,宇宙に有質量ニュートリノが存在すると仮定した場合の理論予測と比較をすることにより,ニュートリノの総質量への厳しい制限を与えることができる.宇宙論的観測は現在,ニュートリノの質量固有値の総和の絶対値を最も厳しく制限する手段となっている. そこで平成25年度は,ニュートリノの質量の決定を目指す最初の手がかりとして,ニュートリノ総質量を非常に効率よく制限できる進行中あるいは将来の宇宙論的観測であるPlanck 衛星による宇宙背景放射のBモードと,BigBOSSサーベイによる銀河のパワースペクトルを採用し,この観測の組み合わせから得られるニュートリノ総質量の制限の精度を求めることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進行中あるいは将来の観測から得られるニュートリノ総質量の制限の精度を見積もった結果を示すところまでを行い,ニュートリノ質量の決定に示唆を与えるための最初の手がかりを得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
さらにニュートリノの質量の決定への示唆を与え,加えて暗黒物質についての研究も進め,これらも基にして素粒子標準模型を超える物理について調べて行く.
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Research Products
(4 results)