2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
石田 宗之 明星大学, 理工学部, 准教授 (80366913)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒグス結合 / 超対称標準模型 |
Research Abstract |
標準模型粒子とヒッグス粒子の結合定数について、自然さを満たす超対称標準模型を用いて詳しい解析、予言を行った。我々のグループで行ったヒグスボゾンの質量の詳細な解析結果から、スカラートップクォークの質量はすでに1TeV以上で当初期待された10%レベルでパラメタの自然さを満たす、祝わゆるNatural SUSY模型は否定されたが、1%レベルまで許容すれば依然としてSUSYの可能性も残されている。この修正された模型での上記のヒグス結合の予言値と標準模型とのずれは最大でも2-3%程度であることが明らかとなった。欧州Large Hadron Collider(LHC)の現在の結果は大きな誤差を含み比較の段階にはないが、LHCの測定精度は楽観的にみつもってもせいぜい5%程度なので、LHCでのヒグス結合によるMSSMの検証は難しい状況であることが明らかになった。LHCによるMSSMの検証は今後のアップデートによる10TEV模型により、超対称粒子が直接生成されることが期待される。一方この結果から現在日本で計画中の国際線形加速器(International LinearColllider)建設の必要性が明瞭になった。ILCではヒグス結合定数が1%の精度で測定できるので、ヒグス結合を用いてMSSMno成否に結論を出すことができる。以上の結果はポーランド・アストロンで行われた素粒子物理国際研究会("Matter to the Deepest")で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然さを満たす超対称標準模型MSSMによるヒグス結合の詳細な予言をおこない、その結果を国際研究会で発表した。研究計画の通りであり、研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
このように超対称性模型は客観的に厳しい状況であり、自然さを満たす模型が実現不可能である以上、もうひとつの可能性である高次元模型を考えなければならない。Arkani-Hamedらによる6次元のM4*(S1*S1)/Z2模型は標準模型を超える有効模型として可能性が残されており、素粒子の3世代構造、陽子の安定性について説明を与える点で優れている。 また素粒子標準模型を超える新理論を創造するには重力理論との融合が不可欠であり、より根本的な考察が必要になる。近年注目されてきたFinsler/河口幾何学を用いて場の理論を幾何学的に書き直すことが可能であり、この枠組みにより最初から理論をリパラメトリゼーション不変に作れることが知られている。この枠組みは時空間・場の統一理論の幾何学的に正当な背景となりうるものであり、この方向からも統一理論構成の可能性を探っていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初最終月3月末に学会出張3日を予定しており使い切る予定でしたが、体調不良で一日のみの参加となり、少額余りました。 国内研究会、近距離出張等の旅費に当てる計画です。
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