2017 Fiscal Year Annual Research Report
string theory and moonshine phenomena
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25400273
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
江口 徹 立教大学, 理学部, 特定課題研究員 (20151970)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | string theory / modular invariance / Mathieu group / Jacobi form / BPS state |
Outline of Annual Research Achievements |
いわゆるmoonshine現象は1970年代後半に初めて発見されたが、保形形式(J-関数)と孤立有限群(Monster)の間に驚くべき関係があることを示し大きな驚きを与えた。その後moonshineの研究はしばらく停滞したが2010年ころになって、弦理論に現れる位相不変量の間にもmoonshineに相当する現象が現れることが発見されて大きな関心をよんだ(江口、大栗、立川)。弦理論に現れるmoonshine現象はMathieu群の対称性が出現するためMathieu moonshine と呼ばれる。Mathhieu moonshineはすぐにUmbral moonshineという系列に拡張され、今では弦理論において多くのmoonshine現象が知られている。 今年度は2016年に引き続きMathieu moonshineとUmbral moonshine の関係を明らかにするために大きなN=4対称性をもつリュービル理論を調べた。大きなN=4対称性を持つリュービル理論はバックグラウンド電荷の値が変化するとともに、二つの小さなN=4リュービル対称性を持つ理論に分かれ、この二つの理論がそれぞれMathieu moonshineとUmbral moonshineを示す理論に対応していることが分かった。Umbral moonshineのもつ中心電荷は一見背景電荷とともに変化するように見えるが、有効中心電荷は一定に保たれていることが知られている。このため大きなN=4対称性を持つ二つのリュービル理論は様々な双対性を持つ。これらの双対性はいまだ多くの謎に包まれていてその期限はよく理解されていない。その点については今後の課題として取り組んでいく。
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Research Products
(1 results)