2015 Fiscal Year Research-status Report
素粒子統一理論を基礎にした様々な重力理論の解析および宇宙論的検証
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25400276
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 恵一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70199610)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重力理論 / ダークエネルギー / インフレーション / 素粒子統一理論 / 宇宙論 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙論の標準モデルであるビッグバン宇宙論は、近年の精密観測により確かなものになってきたが、その一方で新たな謎としてダークエネルギー問題が誕生した。その解決には自然界における基本法則の根幹にも関わる発想の転換が必要と考えられる。また、ミクロ世界においてはインフレーション宇宙論などの初期宇宙像の観測的検証が注目されており、素粒子統一理論をもとにしたその基本的理解が求められている。これらミクロとマクロの両極端で謎となっている加速膨張宇宙の起源の解明には宇宙を支配する重力の本質的理解が鍵となり、一般相対性理論を超えた様々な重力理論が提案されるに至っている。本研究では、超弦理論など素粒子統一理論の立場からダークエネルギー・インフレーションなどの宇宙の未解決重要課題を重力物理学の問題として系統的に解析する。 2015年度は主に以下の研究成果を得ている。
(I)素粒子統一理論を基礎にした様々な重力理論に基づくインフレーションの解析を行っているが、超弦理論を基にしたKKLMMTインフレーションモデルはパラメータの極端な微調整の必要性などの問題点が指摘されている。2015年度はこの問題に取り組み、ゲージ場との結合項の存在を指摘し、その項がモデルをより自然なものになることを明らかにした。 (II)ダークエネルギー問題に関しては、前年度に引き続き2015年度も、bigravity理論を基礎に解析した。前年度に示した第二の計量と結合する「双子物質」が我々の宇宙のダークマターとして振る舞う可能性を示し、かつ宇宙初期には一般相対性理論が回復されることを明らかにした。また、この理論で相対論的な星の解を解析し、現在観測されている中性子星の存在を可能にするには、結合定数に制限がつくことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に遂行したが、本年度後半に行った研究成果の発表として適切な国際ワークショップ(Black Holes' New Horizons)が次年度5月にオアハカ(メキシコ)に開催されるため、基金の一部を繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度後半に行った研究成果を次年度5月にオアハカ(メキシコ)で開催される国際ワークショップ(Black Holes' New Horizons)において発表する。それをもって本研究は完遂する。
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Causes of Carryover |
本年度後半に行った研究業績の発表として適切な国際会議(Black Holes' New Horizons, CMO, Oaxaca, Mexico)が次年度の5月に開催されるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度5月にメキシコで開催される国際会議(Black Holes' New Horizons, CMO, Oaxaca, Mexico)の航空運賃と日当に使用する予定。
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