2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400287
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 薫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニュートリノ振動 / 大気ニュートリノ振動 / アイスキューブ / ピングー / ニュートリノ質量階層性 |
Outline of Annual Research Achievements |
南極氷中のニュートリノ検出器ICECUBEの中心部に高密度のチェレンコフ光検出器を整備する将来計画、PINGUによる物理の検討について、2論文を発表した。 第一論文では、大気ニュートリノ振動解析の一般的手法を、振動ベースと呼ぶ特殊な基底を選ぶことで大幅に改良し、見通しの良い解析を可能とした。論文表題は、A Novel Approach to Study Atmospheric Neutrino Oscillation、著者は S.F.Ge, K.Hagiwara, C.Rott の3名。専門誌 JHEP 1406 (2014) 150 に掲載された。 第二論文では、上記の手法を用いて、PINGU計画の物理的発見可能性を定量的に評価し、計画通りの検出器密度が達成されれば、1年間の実験でニュートリノ質量の階層性を決定し、また、2-3世代混合角の精密測定が可能となることを示した。論文表題は、Physics Reach of Atmospheric Neutrino Measurements at PINGU、著者は S.F.Ge とK.Hagiwara の2名。専門誌 JHEP 1409 (2014) 024 に掲載された。 第一論文の内容は、PINGU計画だけでなく、大気ニュートリノ振動の観測によってニュートリノ質量とレプトン混合行列要素を決定する全ての将来計画解析の核となりうる成果である。 第二論文では、PINGU計画の発案グループの解析結果を独立にほぼ再現することに成功し、米国におけるPINGU計画の信頼性を高める効果があったと聞いている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ICECUBEの将来計画PINGUの解析については当初の目標を達成した。 T2Kビームライン上の韓国東海岸、あるいは隠岐の島に遠方検出器を設置する、T2KK、T2KO計画についての検討は完成し、現在投稿論文を準備中である。 さらに、レプトンフレーバー混合のCP位相の精密測定を可能とする新しいアイデア、神岡のスーパーカミオカンデ検出器の北側、富山県に新しいサイクロトロン施設を建設し、停止ミューオン崩壊による反ニュートリノ振動をスーパーカミオカンデおよび将来のハイパーカミオカンデで検出するTnT2K提案、を準備中。
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Strategy for Future Research Activity |
上記、T2KK、T2KO、TnT2K、の3提案について、研究を完成させ、論文を発表する。
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Causes of Carryover |
研究発表を最終年度に集中的に行うため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PINGU計画、T2KK/T2KO提案、TnT2K提案等についての研究成果を積極的に発表し、これらの計画、提案の実現にむけて貢献する。
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Research Products
(2 results)