2014 Fiscal Year Research-status Report
低質量暗黒物質探査用低物質量半導体ピクセル検出器の開発
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25400308
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
田中 真伸 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (00222117)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダークマター / ワイドギャップ半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度は、低物質量半導体ピクセル検出器の製作と静特性評価に重点をおき、連携研究者の助けを借りダイヤモンド及び炭化硅素を使用した半導体検出器を開発した。ダイヤモンドに関しては、目標とする静特性が得られたが、複数の会社から購入した炭化硅素に関しては要求が満たされなかったため方針を切り替え、連携研究者の協力を得て、リーク電流の少ない基板を製作した。 2014年度は、前述のダイヤモンド検出器の電荷収集効率の測定、リーク電流の少ない炭化硅素を使用した半導体検出器の製作と静特性の評価及び評価用の集積回路のデザインと評価を行った。また最終年度及び実用化に向けたピクセル読み出し回路のデザインとシミュレーション評価も進めた。 ダイヤモンドの電荷収集効率に関しては、アルファ線で評価しダイヤモンド基板の質によって電荷収集効率がばらつくことを確認し、ダイヤモンド基板の質が良ければ実験に充分な性能を得られる事を確認できた。炭化硅素を使用した半導体検出器の動作もアルファ線で確認した。リーク電流が多少多いが、電極の構造の修正により減らすことができるため実用的には問題ない。評価用集積回路に関してはワールドレコード程度の性能を示しているが、検出器との実装時に測定装置のノイズが増える事が確認され現在対応策を検討中である。また実用化に向けたピクセル読み出し回路のデザインも完了し最終年度に製作評価を行う準備が整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイヤモンド検出器と炭化硅素検出器の両方に対して実用化に向けた修正点も明確になり使用可能である見通しが立った。さらに信号処理回路に関してもワールドレコードの性能を持つ物が開発できており最終年度へ向けての準備も問題なく進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
下記が今後の予定である。 1、結晶性の良いダイヤモンド基板の入手可能性が高いためS/N向上の観点から評価を優先させる。 2、炭化硅素検出器の評価についても上記と同様に扱う 3、読み出し信号処理回路に関しては製作、評価を行い実用化へ備える。 4、ダークマター検出はS/Nの向上が必須であるため上記を最重点項目と位置づけ更に性能向上を狙った後に、費用、時間、マンパワー等を考慮し中性子等を使用したバックグランド測定を行う事にする。
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Research Products
(1 results)