2013 Fiscal Year Research-status Report
超耐放射線電磁石を用いた多目的高運動量ビームラインの設計
Project/Area Number |
25400310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (60353372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 恵理奈 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (90391763)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ビームライン / 電磁石 |
Research Abstract |
高運動量ビームライン分岐点SMのトンネル構造を模したモックアップをKEK北カウンターホール内に建設し、電磁石のリモートメンテナンス等の試験を行った。モックアップの建設には、過去の実験ホールモックアップで使用したチムニー電磁石試作機を改造して使用した。配線・配管経路を何回か作り直しながら、その作業性や周囲との干渉等を検証した結果、SM専用のチムニー型電磁石やその配線・配管方法の仕様を決定することができた。ただし、電磁石の中でも、特に5000A程度の大電流を用いるセプタム電磁石については、その電力コネクタの遠隔からの脱着方法が課題として残った。 また、SM部の電磁石本体の出し入れを遠隔で行うため、同モックアップにおいて既存の遠隔玉掛け装置を用いて実際に電磁石の吊り上げ試験を行った。その結果、これまでの電磁石のように真上に吊り上げるのではなく、一度真横にスライドさせてから上に吊り上げることで、隣接する機器との接触を避けながら遠隔操作で吊り上げられることが分かった。これにより、SMにおける電磁石の架台の仕様を決定することができた。 一方、遠隔から電磁石の出し入れをする際、真空ダクトの脱着が問題となる。遠隔脱着が可能な真空接続機器として、ピローシール(圧縮空気でステンレスのフィルムを膨らませて対向フランジと接触させることで真空封止し、取り外す時は逆にフィルム内を真空に引いて縮めるもの)が実用化されていたが、SMで使用するには、出し入れの際に必要なクリアランスを大きくする必要があった。そのために、たわみが小さくて伸縮幅の大きいベローズを試作し、試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年5月23日に発生したJ-PARCハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故への対応とその後の再発防止対策作業のために、研究代表者や分担者の本研究課題へのエフォートを、当初予定していたよりも少なくせざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究で課題として残った、5000A程度の大電流コネクタの遠隔脱着方法について解決することが急務である。僅かな力で脱着できる大電流コネクタは既に開発済みであるので、それを遠隔から操作するための治具を開発して実際に試験してみる予定である。 それと並行して、当初の予定通り、真空接続機器(ピローシール)の遠隔出し入れ治具の設計開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年5月23日に発生したJ-PARCハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故への対応とその後の再発防止対策作業のために、研究代表者や分担者の本研究課題へのエフォートを、当初予定していたよりも少なくせざるを得なかった。 平成25年度の研究で課題として残った、5000A程度の大電流コネクタの遠隔脱着方法について解決するため、大電流コネクタを遠隔から操作するための治具の開発、試験に使用する。 また、それと並行して、当初の予定通り、真空接続機器(ピローシール)の遠隔出し入れ治具の設計開発に使用する。
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