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2013 Fiscal Year Research-status Report

水素結合型有機誘電物質における強誘電性光制御の理論

Research Project

Project/Area Number 25400334
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionHigh Energy Accelerator Research Organization

Principal Investigator

岩野 薫  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (10211765)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 下位 幸弘  独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 上級主任研究員 (70357226)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords光誘起相転移 / 強誘電性 / 光制御 / 水素結合
Research Abstract

水素結合型有機強誘電物質クロコン酸結晶における光誘起強誘電消失の現象を解明するために理論的な準備を進めている。
25年度は特に以下のことを行った。まず、観測されている光学伝導度スペクトルを理解するために、従来の1分子計算を拡張し、5分子、7分子クラスターにおける第一原理計算(非経験的分子軌道計算ソフトウェア Gaussian09を用いた、局在基底および時間依存密度汎関数法に基づく計算)を行った。その結果、1分子の場合よりも観測されたスペクトルにより近い結果が得られ、クラスター計算の有用性を確認した。その一方で、1分子の計算において得た励起状態特性は定性的には同じであることを確認し、これまでの予想、すなわち、電子遷移をトリガーとして水素原子の再配置が起き得る、はやはり有望であることがあらためて分かった。
また、25年度中に、実験サイドでテラヘルツ光誘起のポンプ・プローブ実験が新たに行われた。それによるとテラヘルツ光照射下で有意なピークシフトが観測されており、テラヘルツ光はある意味スタティックな電場印加と見なすことが出来るので、本系における強誘電性と関係させると大変興味深い。そこで、我々も静的な電場を5分子クラスターにかけた計算を行った。その結果、電場の一次に比例するピークシフトを見出し、またそのシフトの絶対値は実験における領域に外挿すると実験値とほぼコンシステントであることが分かった。この事は、やはりこの系における低エネルギー光励起,すなわち、電子自由度と誘電性の密接なつながりを示しており我々の方向性の正しさを示唆してる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

25年度の主要な目的はまずは光学伝導度スペクトルの再現であったので、それがある程度達成できたので概ね順調に進展していると判断される。

Strategy for Future Research Activity

26年度はいよいよ光励起状態からの水素原子自由度の緩和を扱いたい。ただ、ポテンシャル面を描くにしても自由度をそのまま全部扱うとやはり計算がオーバーロードになってしまう。そこで本質的な所から重点的に行いたい。現在既に進めているのは,5分子クラスターを用いた、基底・励起状態のポテンシャル面探索である。7分子以上ももちろん将来的には扱いたいが、中心分子からの緩和を考えた場合、まず最小の動力学は5分子クラスターで表現できると考えられる。また、今まではクラスター計算のみを行ってきたが、周期系の計算もこれからは平行して行う予定である。またさらに一方で、量子理論モデルの構築も外部の研究者の協力を得て既に前倒しで開始した。こちらについては、既に得られつつあるポテンシャル面の情報も得ながら着実に吟味していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費ならびに旅費の支出が予定より抑えられたため。
人件費への使用を含め研究が加速するように使用する計画である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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