2013 Fiscal Year Research-status Report
DMRGの代替としての量子版ノボトニー法の開発ーデコンファイン臨界性の解明ー
Project/Area Number |
25400402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西山 由弘 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60294401)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 厳密対角化 / 基底状態相転移 / 高次元量子系 |
Research Abstract |
本年度は、方法論の整備を意図し、ノボトニー法の非常に基礎的な系への適用を推し進めた。(2+1)次元横磁場イジング模型がそれである。方法論の汎用性、信頼性を精査し、その有用性をデモンストレーションした。特に、フィデリティ感受率という量を通して、秩序相と無秩序相とのあいだの臨界現象を解析した。フィデリティとは、パラメータの微少な食い違いに対する、基底状態の直積の絶対値の減少を意味する。この応答関数がフィデリティ感受率となる。その結果次のことが判明した。 1、フィデリティ感受率を通して、臨界現象を精密に解析することができる。ノボトニーの方法と併用すると有効である。つまり、基底状態臨界現象の、有限クラスターにおける研究に威力を発揮する。 2、パラメータの変化として、従来は、温度(に対応するものが)研究されてきたが、本研究では、それを、磁場方向にも拡張した。結果として、臨界現象の全貌を、このスキームによって明らかにすることができるようになった。なぜなら、臨界指数は、独立なものが二つしかないので、最低、二つの独立な情報が得られれば、全貌が判明するからである。逆に言うと、二つは知る必要があるので、当該拡張にかかわる方法論の改良は、極めて、本質的である。 3、ノボトニー法の、方法論的信頼性の吟味、改良を行った。とくに、スクリュー境界条件のスクリュー各の微調整は、結果の信頼性、系統性の確保に有益である。特に、当該作業コストが、軽微で、容易に移入できるという利点を強調する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
方法論的な考察に傾斜し、新規な挑戦的な課題に適用が果たせていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新規な挑戦的な課題に適用する。実は、上述の成果に基づいて、その動的物理量を精査すれば、容易に未踏な領域に踏み込むことができる。なぜなら、従来のモンテカルロ法はこの領域に不得手なからである。
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Research Products
(3 results)