2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400403
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂口 英継 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (90192591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 集合ダイナミクス / ドメインウォール / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
長距離相互作用系における運動の自己組織化という課題のもと、いくつかの研究を行った。
異なる種類の保存量を持つギンツブルグーランダウ方程式の数値計算を行い、これまで議論されていなかった界面の運動を議論した。ローレンツ変換不変な系で界面の運動が相対論的力学に従うような振る舞いを見出した。また、弾性エネルギーを保存する系でマルテンサイト変態のようにジグザグ変形が高速成長する現象を再現するモデルを作った。 フラクタル的な木構造をもつ系の上で反応拡散移流方程式を計算し、木構造の先端での反応率が最適になるネットワーク構造を検討した。肺や血管網のような生体系の中で分岐を繰り返して先端部に物質を輸送する系を単純化したモデルであり、長距離秩序のある系での物質の非平衡輸送と非線形反応がともに重要になる系のモデルシステムとも考えられる。 振動の位相情報をもとに細胞が移動するモデルを考案し、2次元系の数値計算を行った。これは細胞性粘菌の集合ダイナミクスのモデルであり、実験に見られるように、同心円や渦巻きの中心に集合する様子や、いくつかの渦巻き中心の競合なども数値計算で再現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長距離弾性相互作用を持つ系、長距離まで伝わる振動位相情報をもとにした走化性運動、ツリーネットワークトいう長距離秩序構造をもつ系の上の運動といった長距離相互作用系の運動と自己組織化に関していくつかの新しい結果が得られたのでおおむね順調に研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
長距離弾性相互作用をする典型的な別の例として地震のダイナミクスのモデル計算を今後行いたいと考えている。
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