2016 Fiscal Year Annual Research Report
High-performance computing of phase transitions using GPU
Project/Area Number |
25400406
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡部 豊 首都大学東京, 理工学研究科, 客員教授 (60125515)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モンテカルロ法 / クラスターフリップ法 / レプリカ交換法 / GPU / イジングモデル / 有限サイズスケーリング / フラストレーション / スピンアイス |
Outline of Annual Research Achievements |
新しいモンテカルロ法を用いて、主にスピン系の統計力学の問題に取り組んでいるが、最近、Graphical Processing Unit (GPU) をクラスターアルゴリズム・モンテカルロシミュレーションに応用するプログラム開発を行ってきた。 今年度は、新たに、スピンアイス物質を念頭に置いた、パイロクロア格子上のスピン系の統計力学の研究を開始した。これは、ロシアの極東連邦大学自然科学系のNefedev教授のグループとの共同研究である。研究代表者が5月に4日間、極東連邦大学に行き、講演と研究打ち合わせを行うと共に、極東連邦大学の大学院生1名を12月から3ヶ月間招き、共同研究を行った。 まず、パイロクロア格子上の強磁性相互作用系の相転移をGPUを用いた高精度大型計算で論じた。具体的に、パイロクロア格子上のイジングモデル、XYモデル、ハイゼンベルグモデルの相転移温度を精密に決定し、さらに立方格子上のモデルのデータと比較して、ユニバーサル有限サイズスケーリングが成立することを示した。計算は、我々のグループが開発した、GPUを用いたクラスターモンテカルロ法により行った。また、フラストレーションを生ずる反強磁性系について、磁場効果と希釈効果の役割を論じた。具体的に、[111]方向の磁場をかけると、2つの磁化プラトーを示すことが知られていることに加え、磁気イオンを希釈すると、5つの磁化プラトーを示すことを明らかにした。計算手法としては、磁場と温度の2つのパラメータに関するレプリカ交換モンテカルロ法を用いた。さらに、フラストレーションのある系で興味のある、残留エントロピーについて、Wang-Landau法を用いた直接計算により、その希釈度依存性を高精度に論じた。
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Research Products
(5 results)