2016 Fiscal Year Annual Research Report
The energy of interacting one-dimensional bosons: discontinuous surface tension on vicinal crystal surfaces
Project/Area Number |
25400413
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
阿久津 典子 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (40167862)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 点型引力系1次元準非貫通型ボゾンの凝縮 / 結晶の表面(界面)張力 / ステップ・ファセティング / SiCの溶液成長 / マクロステップの高さプロファイル / 結晶成長抑止 / 頂点模型 / 表面自由エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.点型引力相互作用のある制限solid-on-solid模型(p-RSOS模型)の微斜面は表面ステップを線状素励起とみなすと、(一意ではないが)1次元引力系準非貫通型ボーズ粒子系に写すことができる。p-RSOS模型に等価な1次元引力系準非貫通型ボーズ粒子系の凝縮問題の研究成果は昨年度末に出版することができた(AIP Advances)。その際、論文が長すぎる、ということで割愛した(001)面のラフニング転移より外側の相図領域について、表面版を国際会議ICCGE-18(2016年8月名古屋)で発表し、J. Cryst. Growth(掲載決定、有料オープンアクセス・オプションにより既にオンライン出版されている)に出版した。 2.高耐圧パワーデバイスとして期待されているSiCについて、溶液からの結晶成長においてファセット化したマクロステップが良質な結晶育成を阻害している。このマクロステップが平衡状態でも安定に生じているので、我々が主張している表面(界面)張力の異常によるステップ凝集と考えられている。そこで、マクロステップの高さプロファイルの基礎研究をp-RSOS模型で行った。その結果、平衡状態では、高さプロファイルの特徴は表面張力の異常性に対応して分類されることを得た。 3.p-RSOS模型の微斜面ではファセット化したマクロステップが安定に存在するため、非平衡定常状態の研究が可能になった。非平衡定常状態では、成長駆動力が増大するとマクロステップの高さが小さくなること、を得た。このことから、SiCなどの溶液成長において良質な結晶を得る方策として、1)温度上昇、2)非平衡駆動力増大、3)結晶方位選択、4)界面改質剤の導入、などを提案した。
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