2014 Fiscal Year Research-status Report
統計論的地震波トモグラフィーで明かす海洋地殻の運命
Project/Area Number |
25400439
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 希 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90313048)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 地球内部構造 / トモグラフィー / 散乱波 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球内部の不均質構造は、温度不均質構造と化学組成不均質構造とに大別され、一般的には前者は後者よりも長波長成分に卓越すると考えられている。本研究の目的は、これまで良くわかっていない短波長不均質の3次元分布を明らかにし、地球内部不均質の成因にせまることである。散乱波エンベロープデータは短波長不均質構造の情報を持つが、系統的な解析手法が十分整っていなかった。本計画では新たな系統的解析手法を開発し、大規模データに適用することにより、この状況を打破することを目標とする。 本年度は、本計画の核となる散乱波エンベロープ解析手法を開発するとともに、観測データに適用することにより、その有効性を確認した。既存の研究で提唱された、モンテカルロ法によるエンベロープシミュレーションを拡張し、エンベロープ波形インバージョンにより散乱構造パラメータ分布を推定する方法を開発した。また、本手法を中国東北部の陸上地震計網及び北西太平洋の海底地震計網のデータを適用することにより、沈み込み地域並びに古い海洋底下の散乱構造パラメータの特徴を推定した。沈み込み帯はウェッジに、古い海洋底下はアセノスフェアに、地震波のエネルギーを吸収する性質(intrinsic attenuation)があることを示唆する波形が観測され、機械的なインバージョンによりそれらが抽出されることを確認した。また、散乱によるエネルギー吸収と、intrinsic attenuationによるエネルギー吸収を、十分に分離可能であることが確認された。来年度以降、これらの手法を活用し、地球内部の散乱構造パラメータ分布を詳細に推定する準備が整った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進んでいるから。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに推進する。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Upper Mantle Tomography in the Northwestern Pacific Region Using Triplicated P Waves2014
Author(s)
Takeuchi,N., Kawakatsu, H., Tanaka, S., Obayashi, M., Chen,Y.J., Ning, J., Grand, S.P., Niu, F., Ni, J., Iritani, R., Idehara, K. & Tonegawa, T.
-
Journal Title
J. Geophys. Res.
Volume: 119
Pages: 1-19
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
[Presentation] Upper Mantle Tomography in the Northwestern Pacific Region Using Triplicated P Waveforms2014
Author(s)
N. Takeuchi, H. Kawakatsu, S. Tanaka, M. Obayashi, Y. Chen, J. Ning, S. Grand, F. Niu, J. Ni, R. Iritani, K. Idehara & T. Tonegawa
Organizer
AGU Fall Meeting
Place of Presentation
サンフランシスコ(米国)
Year and Date
2014-12-15
Invited
-
-
-