2013 Fiscal Year Research-status Report
超高強度レーザー駆動ガンマ線発生と光核反応による多様な量子ビーム発生
Project/Area Number |
25400540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
中村 龍史 公益財団法人レーザー技術総合研究所, 理論・シミュレーションチーム, 研究員 (40318796)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザープラズマ相互作用 / 放射反作用 / ガンマ線発生 / 粒子シミュレーション / 量子ビーム源 |
Research Abstract |
研究代表者らの先行研究において、レーザー場中の電子運動における放射反作用効果が無視できなくなるような高強度領域においては、それと固体との相互作用により効果的にガンマ線が発生することが示されていた。本研究では、先行研究を発展させた高強度場と固体密度プラズマとの相互作用の解明を目指したシミュレーション研究を行い発生するガンマ線特性の詳細の解明を行った。特に、発生するガンマ線出力はプリパルスレーザーにより固体全面に形成されるプリプラズマの密度分布や、レーザーの集光パターン、レーザーパルス長、ターゲット物質にも依存する。 そこで本年度はプリプラズマ形状とレーザー強度の間の関係をシミュレーションにより明らかにするとともに、その最適な条件下における発生ガンマ線の定量的評価を行うため「京」コンピュータを利用した大規模3次元シミュレーション研究を行った。 その結果、プリプラズマの存在は高効率なガンマ線発生には必要であること、そしてパルス長が長いほど大きなスケール長が必要であることが明らかになった。また、2次元計算に比べて3次元計算では変換効率が若干低下するが、それでも20%程度の変換効率でガンマ線が発生することが明らかとなった。そしてガンマ線の放出角度パターンが3次元計算により初めて解明され、偏光面内かつレーザー軸に対称に2方向へ強く放出されることが示された。これは今後の実験を行う上で極めて重要な成果であるといえる。ガンマ線の放出方向や出力はプリプラズマのスケール長やレーザー強度により制御することが可能であり、本メカニズムを利用することでレーザーを使った新しい高出力ガンマ線源の実現可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画に記載されていた通り「京」コンピュータを利用することで実スケールの3次元シミュレーションを実施することができた。これにより初めて3次元のガンマ線放出分布を明らかにするとともに発生ガンマ線の定量的評価を行うことができた。この成果については現在論文化を進めており、レーザー駆動の新しいガンマ線源の提案を行うことができると考えている。さらに来年度の研究予定としてあった、レーザー駆動ガンマ線と物質との相互作用を取り込んだ新しいシミュレーションコードの開発にも着手している。これはガンマ線と原子核や原子核電界との相互作用による核子や対生成等を考慮した新しいシミュレーションコードであり、これによる更なる研究の進展が期待される。 このように本年度の研究計画を確実に実施するとともに来年度の研究計画についても着手していることから当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、原子核反応等を取り込んだ新しい粒子シミュレーションコードの開発を進めてゆく。レーザー場と電子との相互作用において放射反作用が無視できないような強度領域においては、レーザーエネルギーは高い変換効率でガンマ線領域の電磁波に変換される。このためエネルギー輸送を解明するうえでガンマ線と物質との相互作用の解明が必要となる。すなわちガンマ線と原子核あるいは原子核電界等との相互作用を定量的に評価する必要がある。しかしプラズマの集団的効果と原子核反応等の原子過程を考慮したシミュレーションコードはまだ存在しない。そこで本研究では原子核反応を取り込んだ新しいコードを開発することでレーザーと物質との相互作用の解明を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の3月末日に異動したため学会主張等と相まって、年度末に若干の予算執行遅れが生じ、結果として未執行分が出てしまった。 ソフトウェア購入を来年度に行う。
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Research Products
(2 results)