2015 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ波超集束効果を用いた新規なテラヘルツ時間領域分光法の開拓
Project/Area Number |
25410006
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 晃司 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 准教授 (70432507)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | テラヘルツ / 導波路 / 遠赤外 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の目的は,「金属導波路を用いたテラヘルツ波の超集束によって可能となる、新規なテラヘルツ時間領域分光法を開拓する」ことである。本申請課題は、次の2つの課題からなる:課題[1]:金属導波路構造の最適化によるテラヘルツ波の超集束効率の向上、課題[2]:金属導波路を用いた、薄膜および微小試料に対するテラヘルツ時間領域分光法の開拓 テラヘルツ波の導波路として、金属平行平板に金属テーパー構造を結合した導波路を使用した。この導波路をアルミニウムで作成し、平行平板長は8 mm、平行平板間のギャップは可変であり、テーパーの角度は THz波の集光角と同じ18度とした。厚さ200 μmのテフロンを加工したスペースに試料を入れ、それを金属平行平板部で挟み込んだ。自由空間を伝搬させたテラヘルツ波による従来のテラヘルツ時間領域分光測定では、回折などの影響を回避するために直径5 mm以上の試料が必要となり、その結果、多くの分量の試料が必要となることが多い。自由空間を伝搬したテラヘルツ波を使用する場合と比較して、金属導波路を用いた場合では30分の1の試料で同程度の吸収強度をもつスペクトルを得ることが可能であることが分かった。これのより、当初の目標「従来の測定試料の10分の1以下で、かつ、テラヘルツスペクトルの定量性を達成する」ことに成功した。
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