2013 Fiscal Year Research-status Report
面不斉を有するカルバゾール誘導体の光電子物性の解明とその機能開発
Project/Area Number |
25410040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
谷 敬太 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60207165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保埜 公二 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00269531)
森 直 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70311769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | カルバゾール / カルバゾロファン / シクロファン / 面不斉 / エキシマー / 光学分割 |
Research Abstract |
カルバゾール発色団の光物性を詳細に調べるため、二つのカルバゾール環が階段状、あるいはらせん状に固定された種々のカルバゾロファン誘導体の合成を行った。 カルバゾールの3,6位を酸素架橋することにより、基底状態では階段状に固定されることがわかった。蛍光スペクトル測定から、中程度の極性以下の溶媒中ではモノマー的な発光であったが、興味深いことに極性かつ粘度の大きな溶媒中では発光挙動が変化してエキシマー的な発光を示すことを見出した。この変化は、励起状態ではカルバゾール環が反転し、上下のカルバゾール環が重なった構造へと変化することで解釈できた。一方、カルバゾール環が部分的にらせん状に固定された面不斉を有する誘導体は、カルバゾールの3,9位を架橋することにより合成した。単離精製した部分重なり型[3.n](3,9)カルバゾロファン(n=2,3)誘導体は溶出条件の検討を行うことにより、キラルカラムを用いたHPLCですべて光学分割できることを見出した。エナンチオマーへの分離が達成できたことは円二色性スペクトルから確認した。さらに[3.n](3,9)カルバゾロファンよりも、一層堅固な構造を有するパラシクロカルバゾロファン誘導体の合成も行い、同様にエナンチオマーに分離できることがわかった。 カルバゾロファン誘導体の大量合成を行うために、光延反応の適用を検討した結果、カルバゾール環を二つ有するモデル系において高収率で合成できる反応条件を見出すことができた。さらに、カルバゾールの集合体であるカルバゾールポリマーを合成するための単量体合成を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カルバゾールの二量体であるカルバゾロファンを用いたエキシマーのような光および電子物性の解明はほぼ順調に進んでいる。二つのカルバゾール環が固定されることにより生じる面不斉の物性解明もキラルカラムによる標準的な光学分割条件が確立できたので、合成した[3.n](3,9)カルバゾロファン(n=2,3)誘導体すべてをエナンチオマーに分離することが可能となった。 また、カルバゾロファン誘導体の大量合成に向けての予備実験も開始し、光延反応が適用できることを見出すとともに、カルバゾールの集合体であるカルバゾールポリマーを合成するため、単量体の合成を開始した。 研究代表者と分担者の役割もおおむね申請書通りに進んでいるので当該区分と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
部分重なり型カルバゾロファン誘導体の簡便、かつ大量合成条件を確立し、それらの光学分割と絶対構造の決定、およびキロプティカル特性の解明を引き続き行う。カルバゾールとベンゼンを連結した[2.2]パラシクロカルバゾロファン連結系も合成し、光学分割を検討する。単離したエナンチオマーのキロプティカル特性を各種スペクトルから評価する。 ホール輸送性に優れた機能性カルバゾール誘導体の開発に向けて、ポリマー化可能な官能基を有するカルバゾール単量体の合成を行い、ラジカル重合によりポリマーへと導く。ポリマーを精製後、分子量分布をGPCから調べ、ポリマーの電子物性、光物性および電気物性が単量体と異なる点を解明し、高機能性カルバゾールポリマーの開発へと繋げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費の購入を次年度にしたこと、および旅費が当初の予定よりも少なかったため。 平成26年度は研究費を、試薬やガラス器具などの物品費、発表のための旅費、データ整理などの謝金などとして使用する予定である。平成25年度の繰越金356,479円は石英セル、電極の購入を次年度にしたことによる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Di-μ2-acetato-1:2κ2O:O';2:3κ2O:O'-bis{μ2-4,4'-dichloro-2,2'-[2,2-dimethyl-1,3-propanediyl-bis(nitrilomethanylylidene)]diphenolato}-1:2κ6O,N,N',O': O,O';2:3κ6O,O':O,N,N',O-tricadmium(II)2013
Author(s)
Koji Kubono, Keita Tani
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Journal Title
Acta Crystallographica
Volume: E69
Pages: m629-m630
DOI
Peer Reviewed
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