2013 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロ架橋オリゴチオフェンの高効率的合成法の開発と機能性材料への応用
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25410042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
光藤 耕一 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (40379714)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チオフェン / ヘテロ架橋 / πスタック / π-π相互作用 / 拡張π電子系分子 |
Research Abstract |
拡張π電子系化合物は、その電気化学的特性や光特性のため機能性材料の活物質として注目を集めている。本研究の目的は、ヘテロ原子で架橋したオリゴチオフェン骨格の構築とその機能評価である。ところで、拡張π電子系化合物の電気伝導性の向上には、個々のπ共役の共役鎖長に加えて、π共役平面間のπ-π相互作用 (π-スタック)が重要である。今回、我々は、3,3'-ジブロモ-2,2'-ビチオフェンと各種アルキルジアミンとの連続的Buchwald-Hartwigカップリングによる、分子内に架橋構造を導入した架橋ビス(ジチエノピロール)の簡便な合成法を開発した。アルキル鎖長2-3の誘導体は得られなかったが、アルキル鎖長4-8の誘導体の合成に成功した。これらのうち、アルキル鎖長4-6の誘導体については結晶構造解析にも成功している。この化合物の物性を精査したところ、結晶中では分子間相互作用の方が優先してしまう者の、溶液中においては弱くではあるが分子内π-π相互作用することが示唆された。さらによりπ拡張したπ電子系化合物である架橋ビス(ジベンゾチエノピロール)誘導体を設計し、その合成ならびに物性評価を行った。架橋ビス(ジチエノピロール)の系同様、前駆体であるビス(ブロモベンゾチオフェン)とアルキルジアミンのBuchwald-Hartwigカップリングにより架橋ビス(ジベンゾチエノピロール)を良好な収率で得た。架橋部位のアルキル鎖の長さと架橋ビス(ジベンゾチエノピロール)の物理的性質、電気化学的挙動の関係について精査したところ架橋ビス(ジチエノピロール)よりも顕著なπ-スタックの効果が発現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
含チオフェンヘテロ架橋の新規拡張π電子系分子の構築に成功しその性質を精査することを達成しているので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な含ヘテロ原子チオフェン誘導体を合成し、その構造物性相関を明らかとすると共に機能性材料へと応用していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は旅費は予想通りであったが、試薬代が当初予想していたよりも安く済んだため、次年度使用額が生じた。 平成25年度に得た知見を元に更なるπ拡張ヘテロ架橋チオフェン分子の構築とその機能評価をおこなう。
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Research Products
(20 results)