2015 Fiscal Year Annual Research Report
熱的に安定なモノ置換チオフェンS-オキシド及びその関連化合物の化学
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25410055
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
大谷 卓 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (70339109)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | チオフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
チオフェン S-オキシドはその反応性の高さから容易に自己二量化反応が進行するため、単離可能な化合物の合成にはチオフェン骨格に2つ以上の嵩高い置換基の導入が必要であった。筆者は、縮環型立体保護基であるEMind(1,1,7,7-テトラエチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-3,3,5,5-テトラメチル-s-インダセニル)基を3位に導入することにより、安定なモノ置換チオフェン S-オキシドやS-イミドの合成に成功した。本研究では、 (1) モノ置換チオフェンS-置換化合物の高収率合成法の確立、(2) 硫黄原子上の置換基効果を明らかにするため基礎データの集積、(3) 反応性の解明、(4) 材料化学への応用、を目的とした。 3-EMindチオフェンに三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体存在下、m-クロロ過安息香酸を作用することにより対応するS-オキシドを合成でき、これを筆者が開発したアミド化反応条件に付すことにより、S-イミドへの高収率変換にも成功した。これらの単結晶X線結晶構造解析も行った。 得られたS-オキシドやS-イミドのEMind基の3位と5位の炭素原子は、温度可変NMRによりそのコアレス現象を解析するためのプローブとなり、硫黄原子のピラミダル反転エネルギーを求めることに成功した。本チオフェンS-オキシドやS-イミドは置換基を一つしか持たず、EMind基のベンゼン環はチオフェン環に対して垂直に配向することから共鳴効果を与えないことから、実測不可能な母体チオフェンのS-オキシドやS-イミドにかわる最良のモデルと考えられる。 反応性の一端を明らかにするため、Diels-Alder 反応を検討した。EMind基の嵩高さのため、反応可能なジエノフィルは限られたが、DMADのような直線型分子とは加熱条件下容易に反応することも明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] [3]-1-Azadendralenes as versatile building blocks for stereoselective synthesis of polysubstituted hexahydroquinazolin-2-ones and hexahydrobenzothiazine-2-imines2015
Author(s)
Satoru Kobayashi, Kenji Kudo, Ai Ito, Takuya Honjo, Masahiro Yata, Takashi Otani, Noriki Kutsumura, Takao Saito, Fabienne Berree, Elise Romain, Fabien Tripoteau and Bertrand Carboni
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Journal Title
European Journal of Organic Chemistry
Volume: 2015
Pages: 4367-4373
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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