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2013 Fiscal Year Research-status Report

MALDI法の特質を生かしたCIEEL型化学励起反応の素過程解析

Research Project

Project/Area Number 25410057
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

伊集院 久子  神奈川大学, 付置研究所, プロジェクト研究員 (60398948)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松本 正勝  神奈川大学, 付置研究所, 客員教授 (10260986)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords化学発光 / MALDI法質量分析 / ジオキセタン / ラジカルイオン種 / 電子移動
Research Abstract

MALDI法質量分析は光誘起電子移動により試料をイオン化するものである。この特徴に着目し、ジオキセタンの電荷移動誘発分解において生成する不安定化学種を捕捉・検出してその発光機構の解明に役立てることを本研究の目的としている。4-(ベンゾチアゾリル)-3-ヒドロキシフェニル置換ジオキセタンでは電子受容体(アンテナとなり得る芳香環)にマトリックスからの電子移動が起こりラジカルアニオンがMALDI法により生成することをすでに見出している。この知見をもとに平成25年度は先ず電子受容能力の優れたアンテナ部位を持つジオキセタンの探索を行った。その結果、ベンゾチアゾリル基だけでなくベンゾオキサゾール、ベンズジイミダゾール、ジベンゾフラン、カルバゾールなどの複素芳香環、さらに、π共役系を拡張したポリフェニレン系の置換基を有する化合物でもラジカルアニオンの生成を確認した。即ちこれらの置換基もアンテナ部位として働くことが明らかになった。また、σ結合を介してジオキセタンに結合した芳香環を有する化合物でも電子移動が起こることを見出した。一方でマトリックス側からの検討も行い、安定性に優れ結晶構造で積層構造を取り得るN,N'-ジヘキシルキナクリドンがこの目的に合致するマトリックスとして使用できること、さらに添加剤として含窒素複素芳香環化合物を加えることによりイオン化効率が上がり、この組み合わせが2成分系マトリックスとして有効なことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、MALDI法質量分析の光励起によるマトリックスから試料への電子移動に注目して不安定化学種を捕捉するというものである。この目的を遂行するために、ジオキセタンに置換したアンテナ部位となり得る芳香環の電子受容能力について3つの系統で検討をおこない、現時点において電子受容能力を有する芳香環の基礎的データの集積および問題点を明らかにしている。

Strategy for Future Research Activity

MALDI法質量分析を用いた予備検討で、質量分析計の中でジオキセタンの発光そのものは検出できないが、電子的励起種のNorrish type I型分解に基づくケトン側のα-Cleavageに起因するフラグメントイオンが検出されるを確認している。一方、双環性ジオキセタンの熱分解において、5員環縮環系ジオキセタンでは殆ど観測されなかったNorrish type I型の分解が対応する6員環縮環ジオキセタンで起こることをすでに報告している。この結果は、縮環した環の大きさが化学励起効率に影響を及ぼすことを示唆している。そこで縮環した環の大きさを変化させたジオキセタンを合成し、MALDI法質量分析により、その分解過程を精査する。また、MALDI法の限界(低分子量化学種には不適)を意識し、なるべく分子量の大きな不安定化学種を調べるという考えで、ジオキセタンが電子移動誘発分解した後もエステル部位とケトン部位が一体となるような双環性化合物について検討してきたが、最終的には、二分子に分解するジオキセタンにおいて、ラジカルアニオン性カルボニルの存在を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

主たる理由は、2013年度購入を計画していたノート型パソコンおよびその関連製品を購入しなかったことおよび当初予定していた宿泊を伴う学会に参加しなかったためである。また計画時の予定よりは質量分析装置の消耗品の購入量が少なくてすんだこともあげられる。
2014年度は現在使用中のデスクトップ型のパソコンが老朽化しているためにノート型あるいはデスクトップ型のパソコンを購入する予定にしている。同時に計算処理用ソフトウェアの新しいバージョンも購入する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Chemiexcitation efficiency for the charge-transfer-induced chemiluminescent decomposition of 3-hydroxyphenyl-substituted dioxetanes in an aqueous system2014

    • Author(s)
      Nobuko Watanabe, Azusa Oguri, Miho Horikoshi, Hikaru Takatsuka, Hisako K. Ijuin, Masakatsu Matsumoto
    • Journal Title

      Tetrahedron Letters

      Volume: 55 Pages: 1644-1647

    • DOI

      org/10.1016/j.tetlet.2014.01.089

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ω-位を官能基化したリンカーで修飾されたジオキセタン型化学発光化合物2013

    • Author(s)
      入江 花風・渡辺 信子・伊集院 久子・山口 和夫・松本 正勝
    • Organizer
      2013年光化学討論会
    • Place of Presentation
      愛媛大学 城北地区(愛媛県松山市)
    • Year and Date
      20130911-20130913
  • [Presentation] 低分子化合物測定のための新規binary matrixの探索2013

    • Author(s)
      伊集院久子、大橋守、大脇福喜子、渡邉信子、松本正勝
    • Organizer
      第61回質量分析総合討論会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場エポカル(茨城県つくば市)
    • Year and Date
      20130910-20130912
  • [Presentation] コハクオナジマイマイおよびその近縁種の黄色蛍光物質

    • Author(s)
      伊集院久子・重田紗季江・品田麻美・中島愛乃・渡邉信子・浅見崇比呂・松本正勝
    • Organizer
      生物発光化学発光研究会第30回学術講演会
    • Place of Presentation
      東京工業大学蔵前会館(東京都目黒区)

URL: 

Published: 2015-05-28  

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