2014 Fiscal Year Research-status Report
強誘電性配位高分子を用いた低電圧駆動メモリトランジスタの創製
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25410077
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大久保 貴志 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90322677)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 配位高分子 / 強誘電性 / トランジスタ / 薄膜化 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランジスタは情報の伝達、変換、蓄積の根幹に係わる電子デバイスであり、その性能はキャリア移動度など用いる半導体材料の性質に大きく依存する。本研究ではこれまで申請者らが独自に開発してきた強誘電性配位高分子を新たな半導体材料として用いることで、低電圧駆動メモリトランジスタを開発することを目的とした。これまで主にジチオカルバミン酸誘導体を配位子とした強誘電性配位高分子の開発を行い薄膜化が可能であることを見出してきた。しかしながらこの薄膜に関しては界面に電荷が溜まりすぎるためか数ボルトの電圧を印加するだけで簡単にショートしてしまいトランジスタとしての動作確認はできていない。そこで平成26年度は主に新しい強誘電性配位高分子の開発を行い、材料の幅を広げることを目指した。その結果、ベンゼンジチオカルボン酸およびヘキサアザトリフェニレン誘導体を配位子とすることで新たな強誘電性配位高分子の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究ではこれまで半導体特性と強誘電性が共存する新たな強誘電性配位高分子の開発を行い、特に今年度はジチオカルバミン酸以外の配位子を用いた系でも強誘電性配位高分子が生成することを見出した。ただし、これらの系において今のところトランジスタとして動作は確認できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は新たに導入したスプレーコーターを用いてこれまで合成してきた強誘電性配位高分子の薄膜化とトランジスタの測定を行ってきたが、動作確認はできなかった。現在このスプレー薄膜の膜質が悪いことがその原因の一つと考えており、最終年度はより均質な薄膜が作製できるように条件検討を行うつもりである。また、引き続き新たな強誘電性配位高分子の合成を行っていく。
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Research Products
(22 results)