2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25410086
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今岡 享稔 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (80398635)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子移動 / 分子素子 / 自己組織化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの、電子勾配のベクトルによって生起したポテンシャル勾配が電子移動の向きを規定するという基本概念を活用し、機能材料への展開を行う。電子勾配はあくまで分子内部の電子構造に関する性質であるが、例えば自己組織化と組み合わせて分子構造・集合体構造を規定すれば、ナノスケールの実空間において電子とホールの流れる向きや速度を精密に制御でき、太陽電池の性能を向上させることができると期待される。電子勾配の概念を利用可能なレベルまでブレイクダウンして、実際に機能材料設計において価値のある分子技術として提供することが本研究の目標である。 (1) 電子勾配による電子移動の方向制御 デンドリマー構造の世代数増加に伴っていずれの方向の電子移動にも減速が見られたが、それぞれの減衰係数は明確に異なることが確認された。 コアに亜鉛ポルフィリン(ドナー)を組み込んだ系では、電荷分離方向(コアから外側)への電子移動に比べて再結合方向(外側からコア)への電子移動に減速効果が強く作用しており、電荷分離が相対的に促進されている。一方、比較の系としてアクセプターをコアに組み込んだデンドリマーでは全く逆の傾向に、フェニレンビニレンやベンジルエーテルなどの骨格では等価となることが判明した。これは勾配の向きに電子移動ベクトルが向くという考えと一致する。 (2) 素子化を指向したデンドリマー組織化 ポルフィリン錯体をコアにもつフェニルアゾメチンデンドリマー(第4世代)をもちいて様々な基板にスピンコート法で薄膜を形成、表面の状態をAFMにて観察した。異方性と規則性の極めて高いサブミクロスケールの構造が観察された。濃度を調整することによってドットの一軸配列構造なども構築することができた。
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Research Products
(9 results)