2015 Fiscal Year Annual Research Report
明確な結合方向を持つユニットを利用した共有結合性かご状分子の創製
Project/Area Number |
25410087
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小野 公輔 東京理科大学, 理学部, 助教 (30579313)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動的共有結合 / かご状分子 / ボロキシン形成反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、23種の骨格からなる計40個以上のジボロン酸を合成し、いくつかのジボロン酸についてボロキシン形成反応を試みたところ、4,5,-二置換カテコール、3,6-二置換カルバゾールを骨格に有するジボロン酸からそれぞれ3量体、6量体のボロキシンケージの構築に成功し、本研究課題の目的であるナノメートルサイズの内部空間を有する共有結合性かご状分子の創製を達成している。そこで本年度は、さらに大きな内部空間を有するボロキシンケージの創製を目指し、2つのC-B結合のなす角度が、117度、148度と広がった2,4-二置換レゾルシノール、2,5-二置換チオフェンを骨格に有するジボロン酸a, bから12量体、30量体のボロキシンケージの構築をねらい、ボロキシン形成反応の検討を行った。まず、ジボロン酸aは、はじめのうちはクロロホルムに不溶であったが、長時間加熱撹拌を続けると均一溶液を与え、1H NMRスペクトルから単一のボロキシンへと収束している様子が観測された。MALDI-TOF-MSによる質量分析から12量体のボロキシンケージであることが確認できた。ボロキシンケージ12量体はこれまで報告されている共有結合性かご状分子の中でも最大級の大きさである。ボロキシンケージ12量体の単結晶X線構造解析には成功しなかったが、ボロキシン3量体、6量体、12量体の相対的な大きさの関係を1H DOSY NMR, GPC, STMによる直接観測によって明らかにすることができた。最後にジボロン酸bのボロキシン形成反応によるボロキシンケージ30量体の構築をねらい、様々な溶媒や添加物を検討したが、ボロキシンケージ30量体の構築の証拠を得ることができなかった。
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Research Products
(2 results)