2015 Fiscal Year Annual Research Report
微小分散液滴を利用したバイオメディカル分析法の開発
Project/Area Number |
25410153
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
橋本 雅彦 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20439251)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単分散油中水滴の自動調製 / 単一DNA分子の検出 / 変異DNAの絶対的定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度までに確立したポリジメチルシロキサン(PDMS)マイクロ流体チップを用いた単分散油中水滴の自律的調製技術をさらに発展させる研究に取り組んだ。具体的には、前年度まではPDMSシートとガラス基板とを永久接着させたマイクロ流体チップを用いていたのに対し、最終年度はPDMSの自己接着性を利用し、PDMSシートとガラス基板とが可逆的に貼りあわされたマイクロ流体チップを用いて上記と同様の手法で液滴の自律的調製が可能であるか検証した。液滴の生成速度、粒径、およびそれらの再現性を調査した結果、これまでとほぼ同等の液滴調製が可能であることが実証された。今後、非永久接着のマイクロ流体チップを適用することにより、酸素プラズマのような高価な装置を使用する必要がなくなるためコストを低く抑えられるだけでなく、異物が混入することによってマイクロ流路が閉塞した場合も容易にリカバリーすることが可能である。 研究期間全体を通して実施した研究により、単分散性の高い油中水滴を自律的に生成させられる新規性の高い技術を確立することができた。本法における送液の原理は、マイクロ流体チップの出口リザーバーに捕捉された空気が脱気されたPDMSへ溶解していくことによって出口リザーバーが負圧となることに基づいているため、(1)外部ポンプをマイクロ流体チップに接続する必要が無い、(2)脱気されたPDMSマイクロ流体チップの入口リザーバに油相と水相を滴下するだけの非常に簡便な操作だけで液滴が自動的に発生する、(3)デッドボリュームがほとんど発生しない等の利点がある。また、生成した液滴にターゲットDNAを封入しPCR増幅を行い、蛍光信号オンの液滴の割合を計数したところポアソン分布から予測される値と良好な一致を示した。以上のように、微小分散液滴の利用を基盤とした核酸分子のデジタル分析プラットフォームが確立された。
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Research Products
(6 results)