2014 Fiscal Year Research-status Report
有機リン加水分解酵素表層発現酵母を用いる高感度有機リンセンサーの構築
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25410157
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
高山 勝己 福井工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70226934)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞表層発現 / ニトロレダクターゼ / 酵母 / バイオセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、酵母(MT8-1)細胞表層上に末端に用いるアンカーの種類を変えて発現した大腸菌由来のニトロレダクターゼ3タイプの活性比較を行った。p-ニトロフェノールを基質とし、一定時間後のp-アミノフェノールの生成量により比較した。ニトロレダクターゼ(NIR)のC末端側にGPIアンカーを用いた発現型が、N末端側発現型に比べ3-4倍高い活性が得られることが明らかとなった。そこで、このタイプの細胞表層発現酵母を触媒として用いて、生成物であるp-アミノフェノールをアンペロメトリックに測定するp-ニトロフェノールバイオセンシングの可能性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1mMのp-ニトロフェノールの検出に2-3時間程度を要する。これは、明瞭な電流の応答が見られるまでに1-2時間を要するためである。NIRのp-ニトロフェノールからp-アミノフェノールまでの還元は6電子還元であり、この還元は3段階の素反応過程(逐次反応)からなる。各反応段階の速度論的解析の報告がなく詳細な考察ができないが、3段階目の最終過程の反応速度が律速となっていると考えるならば、応答の遅延(誘導期)現象が理解できる。この問題は測定対象物の迅速な検出を行うという目的達成の障害となる。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度(最終年度)の課題は以下の2点である。 1)ニトロゲナーゼ表層発現酵母による反応過程が律速になるという問題を残す形となるが、すでに開発済みであるFlabobacteriumu由来の有機リン加水分解酵素(OPH)表層発現酵母と組み合わせて、有機リン検出系の構築を最優先課題とする。検出の原理は、有機リン化合物をOPH表層発現酵母の触媒作用によりp-ニトロフェノールに変換する。これをNIR表層発現酵母の触媒作用でp-アミノフェノールに還元し、これを電極で検知する。ただし、検出に要する時間はNIRの触媒反応が律速となるので数時間オーダーになる。 2)表層発現ニトロゲナーゼの反応速度論的解析に主眼をおいた検討を行い、センサー応答遅延の解決策を検討する。
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