2015 Fiscal Year Annual Research Report
健康維持を目的としたコルチゾール検出ストレスセンサの開発
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25410164
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
伊藤 健 関西大学, システム理工学部, 准教授 (50426350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストレス評価 / 可搬型 / 短時間評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、フローインジェクション法による連続送液下でコルチゾール濃度を定量できることを示してきた。H27年度は、家庭で迅速にストレスマーカーであるコルチゾールを定量的に測定するため、自己吸引型マイクロ流体デバイスを利用して計測するプロトコルを開発した。利用したセンサデバイスは前年までに開発した電極を二つ搭載した水晶振動子上に抗体を結合させたものである。人工唾液に一定量のトレーサーと適宜濃度調整したコルチゾールを添加しサンプル溶液とした。上記マイクロ流体デバイスにサンプル溶液を20μL滴下することで計測を行った。また、抗原抗体反応の連続計測についても実施した。その結果、測定までの時間は8分、再生を含めた測定時間は13分であった。サンプル溶液の滴下や流速変化による周波数変化が環境ノイズとして発生するが、1枚の水晶基板に、抗体極と参照極が乗っているため、抗体極の周波数変化から参照極の周波数変化の差分を取ることでこのような環境変化の影響を取り除くことができた。また、本プロトコルを用いることでコルチゾール濃度50~1000pg/mLの範囲で計測可能な検量線を得ることができた。以上のことから、当初予定していた工程で迅速にストレス管理を行うことができるデバイスの基盤技術を開発できたと考えている。今後は、実際の人の唾液から得たサンプル中のコルチゾール濃度の評価とHPLCなどの他の分析技術との結果についての相関性を評価していく必要がある。また、本技術の応用例として、食物アレルギーのβラクトグロブリンの高感度検出にも成功し、家庭や工場などのオンサイトでアレルゲンの濃度を定量的に評価できることを示した。
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