2013 Fiscal Year Research-status Report
レアメタル抽出能を有する天然物有機-無機複合材料の創成
Project/Area Number |
25410188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
近藤 良彦 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00361238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 文男 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40156401)
山田 学 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90588477)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レアメタル / シクロデキストリン / リサイクル / 有機・無機ハイブリッドポリマー |
Research Abstract |
本研究課題の目的は「シクロデキストリン-珪藻土複合ポリマーのレアメタル抽出能の検討」であり、特に1)ポリマー組成の解明、2)金属抽出機構の解明、3)新規複合ポリマーの合成を挙げている。本年度の研究計画として記載した各種シクロデキストリン‐無機複合ポリマーの合成は現在も継続中である。また、複合ポリマーの金属抽出能の検討については、β‐シクロデキストリン(β‐CyD)複合ポリマーにおいて、ポリマー合成時に重量比を変えたものを(β‐CyD:珪藻土=0.5:1,1:1,1:2)を合成し、TG-DTA測定およびSEM画像による表面観察を行った。TG-DATよりポリマー合成時の重量比が得られたポリマーの有機、無機の存在比に反映されていることを確認した。さらに、セシウム標準溶液(20ppm、30ml)を用いてセシウムイオン抽出における、添加量、抽出時間、pHの変化に伴う抽出能変化を見たところ、それぞれのポリマーで0.1g添加で90%以上の抽出能を示し、抽出時間ではすべて1分で90%程度の抽出能を示した。このことから、得られたポリマーは有機‐無機の組成比に関わらず、高効率の抽出能を示すことが判明した。一方、pH変化では1:2ポリマーがpH3以降で90%以上の抽出率を示したのに対し、その他ではpH4以降で抽出率が一定となった。このことから、珪藻土表面がシクロデキストリンのポリマー化により改質され、セシウムに対する抽出能を示していると推測される。 また、新規シクロデキストリン誘導体ポリマーの合成は窒素を含む直鎖官能基の導入とベンゼン環を導入した2種類の誘導体を用いたポリマーの合成に成功し、TG-DTAおよびSEM観察を行い構造の確認を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はα、β、γ‐シクロデキストリン‐無機複合ポリマーの合成を行う計画であったが、α、γ‐シクロデキストリン‐無機複合ポリマーの合成には至らなかった。しかし、β-シクロデキストリン‐無機複合ポリマーのセシウムイオン吸着能の検討は順調に進行している。また、新規シクロデキストリン誘導体のポリマー化では当初の計画より進行し、平成25年度では2種類のポリマーの合成に成功している。これらの結果より達成度はおおむね順調に進行していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで本研究課題の進捗はおおむね順調に進呈しているため、研究計画において大きな変更は必要がないと判断する。 平成26年度以降は、昨年度の研究成果であるβ‐シクロデキストリン‐無機複合ポリマーの金属抽出検討をレアメタルまで展開し、さらなるデータの蓄積を進めある。さらに、α、γ‐シクロデキストリン‐無機複合ポリマーの合成を実施し、物性や金属抽出挙動の検討を進めていく。さらに合成に成功した新規シクロデキストリン誘導体を用いた複合ポリマーでも同様の検討を進め、レアメタル抽出挙動の検討を進めていく。
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