2014 Fiscal Year Research-status Report
自然界の安全な酸化・還元剤およびCO2を用いた酵素による酸化還元反応の開発
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25410189
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 知子 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (10319494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 理央 姫路獨協大学, 薬学部, 講師 (40454764)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グリーンケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
Geotrichum candidum NBRC4597由来のアセトフェノン還元酵素(GcAPRD)による不斉還元反応の研究を行った。本酵素は、広い基質特異性、特異的に高い立体選択性、高い有機溶媒耐性及び熱安定性から環境低負荷を目指した工業利用に適していると考えられる。さらに、本酵素が属するMedium chain dehydrogenases/reductases(MDR) superfamilyの触媒残基や金属イオン結合残基等に関しては、立体構造を用いた様々な解析が報告されている。一方、MDRが持つ立体選択性や基質特異性を詳細に解析した例は無い。そのため、GcAPRDの構造解析及びそれに伴う新規な高機能化法の開発が、MDRの工業応用の幅を拡大すると期待される。本研究では、ホモロジーモデルを用い、野性型及び変異型APRDの立体選択性及び基質特異性の解析、活性部位近位または遠位残基の置換による高機能化、および、立体構造を決定を行った。 さらに、Fusarium sp. NBRC109816由来のBaeyer-Villiger酸化酵素(BVMO)による酸化反応の研究を行った。これまでに、本菌体は、アセトンや環状ケトンのBV酸化反応も触媒することを見出してきた。しかし、菌体反応は水中のみの反応であるため、疎水性基質の反応は効率が悪いことが難点であった。また、Fusarium sp. NBRC109816によるBVMOの誘導には時間がかかることや、本菌体内に存在する他酵素によりBV酸化生成物が加水分解を受けてしまうことも問題であった。本研究では、疎水性基質の反応の効率向上と、Fusarium sp. NBRC109816由来のBVMOの大腸菌を用いた発現系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化反応の担当者と還元反応の担当者が、ともに、研究計画に沿って研究を行っており、ほぼ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中に得た結果にもとずいて、来年度の研究計画の詳細を各担当者と決定し、今後、予定されている研究を進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
今年度中に進行する予定の計画のごく一部が、他の部分の研究において予想以上の成功により詳細な解析を行ったため、次年度に延びたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度中に行う研究計画を実行する。
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