2014 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素とグリセロールを原料とする新規ポリカーボネート類の創製
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25410197
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
三原 正稔 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 有機材料研究部, 研究主任 (70416296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 猛夫 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 有機材料研究部, 研究員 (60443545)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / グリセロール / カーボネート |
Outline of Annual Research Achievements |
温暖化対策として二酸化炭素の有効利用は急務の課題である。また、バイオディーゼル燃料の生産に伴い、グリセロールの有効利用も強く望まれている。本年度の研究では、これらの原材料を有効に利用して、カーボネート類の重合体の合成を目指した。 前年度は、二酸化炭素とアルコールと臭化ブチルから鎖状のグリセロールトリブチルカーボネートを合成することに成功している。しかし、環状のグリセロールジブチルカーボネートの副生を抑制するため、過剰の強塩基と臭化ブチルを使用する必要があった。 本年度は、まず、臭化ブチルの代わりにヨウ化ブチルを用いることで、過剰の原料を用いることなく、比較的高い選択率で鎖状のトリブチルカーボネートが合成できることを明らかにした。次いで、その条件を基に、ヨウ化ブチルの代わりに1,4-ジヨードブタンを用いて、カーボネート重合体の合成を検討した。その結果、グリセロール/ジヨードブタンを1/3の量比で反応を行った場合に、鎖状のオリゴマーが主生成物として得られた。さらに、前年度に見出した合成法を利用し、異なるアルキル鎖長や官能基を有する種々のグリセロールトリアルキルカーボネート類の合成にも成功した。 これらの生成物は、低分子量あるいは中程度の分子量でも使用できる樹脂添加剤として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鎖状のグリセロールカーボネート類のオリゴマーや、異なるアルキル鎖長や官能基を有する種々のグリセロールトリアルキルカーボネート類の合成に成功した。これらの合成法及び得られた生成物は、次年度の研究課題である機能性カーボネート類の合成に利用できる。
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Strategy for Future Research Activity |
機能性カーボネート類の合成を目指し、本年度に合成した鎖状のグリセロールトリカーボネート類及び副生物として得られた環状のグリセロールジカーボネート類を樹脂添加剤として利用する。
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Causes of Carryover |
次年度開始直後に、実験に必要な消耗品を購入するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ガラス器具、カラム等の消耗品を購入する。
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Research Products
(5 results)