2015 Fiscal Year Annual Research Report
高修飾率有機化アルミノシリケートによる耐熱型“結晶性”透明ナノハイブリッドの創製
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25410219
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤森 厚裕 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00361270)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 部分フッ素化結晶性樹脂 / ナノ複合材料 / 機能性ナノフィラー / 表面改質 / 表面有機化修飾ナノフィラー / ナノ分散 / ガスバリア能 / 耐熱/力学物性向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題に於いて,部分フッ素化結晶性高分子と,表面有機鎖修飾ナノフィラーを用いた,新規ポリマー/フィラーナノコンポジットの創出を達成した.本来,結晶性高分子は,結晶/非晶の混在状態である.この結晶/非晶界面における透過光屈折が著しい為,高分子結晶が光伝送材料となった例はおろか,透明材料として普及した例も皆無であり,これが世に存在するプラスチック光伝送体の耐熱性欠如の最大要因とされる.本課題の初段階では,先ず,世界で初めて「高密度非晶鎖」形成に基づく,300 °C耐熱の"結晶性"高分子フレキシブル透明材料の開発を行った.透明結晶性高分子は交通事故による人命保全に繋がる,車体軽量化に資する耐熱性光ファイバー構築も現実化する.これを先行研究で扱った全フッ素化結晶性高分子に加え,部分フッ素化結晶性高分子にまでその適用範囲を広げ,透明材料化を達成した.更に加えて,有機化ナノ粒子複合化に基づくハイブリッド材を用いた,耐熱化の革新向上とガスバリア能発現に至った.透明ハイブリッド材の創出・その機能化(透明性維持・耐熱化・高結晶化度・力学物性向上・ガスバリア性発現)の達成にためには,マトリックス高分子中のナノフィラーの「ナノ分散」が必須条件である.フッ素系高分子は特に,ナノフィラーを良分散させるマトリックス材としては取り扱いが困難な,相分離性を誘起する特性を有している.このため,有機化ナノフィラーの表面改質手法の革新に取り組んだ.その結果,ナノクレイ(表面荷電),酸化物無機ナノ粒子(ZrO2, ZnO, CoFe2O4, Fe3O4, etc.)並びにナノダイヤモンド(表面-OH2終端)に対し,高効率,および耐熱性有機化修飾法の開発に至った.これを用いて調整した,部分フッ素化結晶性樹脂/耐熱性有機化ナノフィラー透明ナノハイブリッドは,上述の機能化を達成するに至り,新たな結晶性ナノ複合材料の創出方法に悪心的一助を加えるに至った.
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Research Products
(53 results)