2015 Fiscal Year Annual Research Report
スパッタ成膜法による非貴金属系酸化物薄膜の創成と酸素還元カソード触媒への応用
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25410241
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80305648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸素還元電極触媒 / PCP/MOF / ZIF / Co金属 / ポーラスカーボン |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素還元反応(ORR)は燃料電池の正極側反応として、燃料電池の性能を左右する重要な反応である。本年度は、ユビキタス触媒開発の観点からCoナノ粒子を高分散に内包したポーラスカーボン電極触媒の開発を達成するため、PCP/MOFの1つであるZeolitic Imidazolate Framework (ZIF)を前駆体した触媒調製法を検討した。Co2+と2-メチルイミダゾールで構成されるZIF-67を不活性雰囲気下で加熱し炭化処理を行うと、金属Coを内包するナノポーラスカーボン触媒が調製できた。Co内包ナノポーラスカーボン触媒(CX-ZIF-67:X=炭化温度℃)を用いて電極を作製し、プロトン還元による水素生成反応に応用したところ900℃での炭化処理により調製したC900-ZIF-67 が最も高い活性を示すことを見出した。ターフェルプロット測定より、本水素生成反応はVolmer-Heyrovsky機構で進行していること、インピーダンス測定よりC900-ZIF-67 において電極界面抵抗が最も小さくなることが示された。また、サイクリックボルタンメトリーによる長期安定性試験を行ったところ、C900-ZIF-67電極は10000サイクル後でも高い活性を維持する高い耐久性を示すことがわかった。C1000-ZIF-67がC900-ZIF-67に比較して低い触媒活性を示すのは、C1000-ZIF-67ではカーボンの結晶性が高くなり導電率は向上するものの、高い炭化温度のためCoナノ粒子が凝集し、金属Co表面の触媒活性点量が大幅に減少したことに起因するものと考えられる。また、C900-ZIF-67電極はORR反応にも活性を示すことも明らかとなった。このように、ZIFを前駆体として調製したCo内包ナノポーラスカーボンが、ユビキタスORR電極触媒として機能することを見出した。
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