2014 Fiscal Year Research-status Report
炭素繊維強化プラスチックの超高サイクル疲労の迅速評価手法の開発
Project/Area Number |
25420011
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島村 佳伸 静岡大学, 工学研究科, 准教授 (80272673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤木 秀章 神奈川大学, 工学部, 助手 (00625296)
東郷 敬一郎 静岡大学, 工学研究科, 教授 (10155492)
藤井 朋之 静岡大学, 工学研究科, 助教 (30377840)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 疲労 / 炭素繊維強化プラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の成果に基づき,超音波疲労試験機を用いて炭素繊維強化プラスチック(CFRP)積層板の軸荷重疲労試験を可能とするための試験片形状の検討をまず実施した.供試材はトレカプリプレグT700/2592である.積層構成はCFRP構造で広く用いられている疑似等方積層板とした.いくつかの案を有限要素法を用いて検討した結果,上下端に金属製ブロックをもつ対称形状試験片とすることで,曲げモードの干渉なしに安定した1次モード共振が可能となることが明らかとなった.また本試験片形状は,下端部の金属ブロックがあるため,市販の安価な誘電型ギャップセンサーで端面変位が容易に測定できる点も好都合である.そこで実際に試験片を作製し共振状態の確認を実施したところ,20kHzで実際に共振することを確認できた.またサーモグラフィーカメラで試験片の発熱状態を確認したところ,1次モード共振に対応する正弦波状の発熱分布が得られた.この結果は,本試験片形状で1次モード共振型の疲労試験が実施可能であることを示している.そこで次のステップとして,試験片発熱防止のための冷却方法について検討を実施した.冷却方法は,金属試験片で用いられている断続負荷法(短時間の負荷と除荷を繰り返す)と空冷の二種類について検討した.断続負荷については,連続発振,断続負荷(Duty比=0.1),断続負荷(Duty比=0.01)の三種類として,空冷については空冷なしとありの場合について検討した.その結果,空冷なしの連続負荷では,わずかな負荷でも温度上昇が激しく疲労試験の続行が不可能であったのに対して,断続負荷(Duty比=0.01)と空冷を併用した最も冷却効果が高い場合には,引張強度の1/10の応力振幅に対して10℃程度の表面温度の増加にとどまることが確認でき,ガラス転移温度より十分低い温度での疲労試験の実施が可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25,26年度の研究成果により,超音波共振により軸荷重疲労試験が実施可能であることを実験的に明らかにすることができたため,ほぼ計画通りである.
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を基にCFRP疑似等方積層板の超音波疲労試験を実施しS-N 特性を取得する. また油圧サーボ疲労試験機により得られるS-N特性との比較検討をおこなう.
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