2013 Fiscal Year Research-status Report
3次元き裂伝ぱ解析に基づくレーザープレーニング機序の解明と実用化
Project/Area Number |
25420023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
才本 明秀 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00253633)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | レーザー加工 / き裂進展 / 熱弾性解析 / 表面剥離 |
Research Abstract |
本研究の実施にあたり、移動温度荷重をうける3次元固体の表面近くを進展するき裂が、なぜ安定的に進展するのか、どのようなき裂前縁形状で進展するのか、き裂面が表面とほぼ平行に成長するために必要な条件は何かなど、多くの知見を数値き裂進展シミュレーションの結果から見出す必要がある。そこで平成25年度は、任意形状の平板状3次元き裂が種々の荷重を受ける際の、き裂先端における応力拡大係数の値を、正確に、かつ迅速に求めることができる計算システムの確立に取組んだ。その結果、平面3角形要素を用いた3次元き裂の伝ぱ解析システムの開発に成功した。この研究成果はレーザープレーニングの際に生じる剥離き裂が、どのような力学条件のもとで進展していくのかを明確にすることを可能にする。現在の計算手法は、き裂面を多くの三角形領域に自動分割し、分割された各領域では体積力対の重みを一定と仮定している。そのため、き裂の前縁に沿って、応力拡大係数の滑らかな分布を求める場合には、領域分割を細かくせなばならず、計算に必要な時間や未知数の数に制限が生じることが分かった。そこでき裂前縁に相当する曲線のみに円弧の一部をフィットさせる新しい扇型要素を開発して精度と効率のアップを図った。最終的に開発された計算システムは、任意形状の平面状3次元き裂問題を極めて精度よく、また、高効率で解析することができる。次年度は、熱応力解析と組み合わせることで、レーザープレーニング機序の解明を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では1年目に3次元き裂が伝播・拡大する様子を高精度にシミュレートする解析システムを開発することが目的であったが、き裂先端の応力拡大係数の分布を正確に求める計算システムを作成するまでに留まった。しかし、き裂進展は、応力拡大係数の大きさに応じて現在のき裂先端に新しい要素を追加することでシミュレートできるので、1年目の研究の成果は概ね研究目的に到達できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在のき裂先端に、微小要素を自動的に追加することでき裂進展を表現できるよう工夫することで、3次元き裂伝ぱの自動解析システムを早急に確立する。また、レーザープレーニング時に生じる熱弾性場の有限要素解析はすでに終了し、その力学特性が明らかになったので、想定される熱応力にもとづいて3次元平面き裂がどのように伝播・拡大するのかを解析的に明らかにする。さらに、数値シミュレーションと同時にレーザー加工実験を実施して数値解析と観測値の比較を行うことによってレーザープレーニングの機序を明確にする。
|
Research Products
(6 results)