2015 Fiscal Year Research-status Report
マルチフェロイクスからなるマイクロ・ナノスケール構造体設計のための数理熱弾性解析
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25420026
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大多尾 義弘 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10275274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 材料力学 / 熱弾性解析 / マルチフェロイクス材料 / スケール依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.スケール依存性を考慮しない熱弾性解析: 解析モデルとして、任意の材料組成の不均質特性および板厚変化をもたせるため、半径方向に区分的に冪関数で表された特性を有する傾斜機能変厚回転円板を考え、内外圧、遠心力、および円板表面の加熱を受ける場合の定常熱弾性問題を平面問題として厳密に解析し、数値計算により不均質特性および板厚の影響を調べた。さらに、この傾斜機能変厚回転円板に生じる応力比(応力/強度)を最小にする材料組成および板厚の最適化問題を取り扱った。最適化手法として、準ニュートン法を用いた。 2.スケール依存性を考慮しない圧電材料の有限要素解析: 慣性項を考慮した動的問題の解析ができるように、圧電材料の圧電弾性問題におけるボクセル有限要素法の解析プログラムを作成し、性能向上を目的とした振動発電デバイスの構造解析を行った。 3.スケール依存性を考慮しないマルチフェロイクス材料からなる多層中空円筒の圧電磁熱弾性解析: 解析モデルとして、圧電材料と磁歪材料からなるマルチフェロイクス材料層からなる積層中空円筒が内外表面から熱伝達を伴い加熱された多層中空円筒の圧電磁熱弾性問題を一般化平面ひずみ問題として解析し、厳密解を導出した。導出した厳密解を用いて数値計算を行い、平面ひずみ問題による結果と比較した。 4.スケール依存性を考慮したマルチフェロイクス材料の有限要素解析: 圧電材料と磁歪材料からなるマルチフェロイクス材料の圧電磁弾性問題を非局所弾性理論を用いてボクセル有限要素解析を行うプログラムを作成中である。 5.非フーリエ熱伝導則により温度解析: 均質等方性の中空円筒における非フーリエ効果を考慮した熱伝導問題を考え、内外表面が温度指定された場合の厳密解を有限ハンケル変換を用いて導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スケール依存性を考慮しないマルチフェロイクス材料からなる長方形板の三次元圧電磁熱弾性解析や円筒パネルの二次元圧電磁熱弾性解析は思った以上に複雑なる。現在、スケール依存性を考慮した均質等方性材料からなる長方形板の三次元磁熱弾性解析を検討中であるが、解析がかなり複雑である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.スケール依存性を考慮したマルチフェロイクス材料の有限要素解析: 圧電材料と磁歪材料からなるマルチフェロイクス材料の圧電磁弾性問題を非局所(non-local)弾性理論を用いてボクセル有限要素解析を行うプログラムを完成させる。 2.非フーリエ熱伝導則により温度・熱弾性解析: 均質等方性の中空円筒における非フーリエ効果を考慮した熱伝導・熱弾性問題を考え、内外表面が温度指定された場合の解析解の厳密解の導出を行う。また、多層層状中空円筒の温度・熱弾性問題を考え、有限ハンケル変換を用いて、厳密解の導出を試みる。 3.マルチフェロイクス材料からなる多層中空円筒の圧電磁熱弾性解析: 現在は、フーリエ熱伝導則を用いて導出した熱弾性解析では、温度解に含まれるベッセル函数を級数展開した形で熱弾性問題の特解を導出している。熱弾性問題の特解をベッセル函数そのままの形で表現できる別のタイプの解の検討を行う。これが可能となれば、非フーリエ熱伝導則を用いて導出した温度解を用いて、熱弾性解析を行うことが可能となる。また、非局所(non-local)弾性理論を用いて多層中空円筒の解析解の導出を検討する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際会議が都合により行けなくなった。研究に関連する書籍の購入が予定以上に必要になった。以上の理由により、差額分が残金した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
FORTRANコンパイラーに必要な数値計算ライブラリーの購入。ノートパソコンの購入。研究に必要な書籍の購入および旅費として使用予定である。
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