2014 Fiscal Year Research-status Report
耐疲労スマート材料の適用性および影響因子に関する研究
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25420040
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| Research Institution | National Maritime Research Institute |
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Principal Investigator |
高橋 一比古 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (30425748)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義久 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70399517)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 疲労き裂 / スマート材料 / アルミナペースト / くさび効果 / き裂進展抑制 / き裂検出 / チクソトロピー / ボルト穴 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
構造物の疲労損傷を効率的に検知し、損傷の進行を抑制する新たなツールの１つとして、微粒子のくさび効果を利用した耐疲労スマート材料（スマートペースト）を考案し、き裂の検出及び進展抑制という２つの機能を併せ持つことをこれまでに実証している。これを実機に適用する場合、半流動体であるペーストを堅固な閉空間に封入して適用した方が環境や経年による影響を受けにくく、信頼性が格段に向上すると思われる。また、微粒子の材質・粒径やペースト粘度など、機能発現に影響する諸因子に関する知見が深まれば、より一層の機能向上に繋がることが期待される。
そこで本研究では、スマートペーストをボルト穴、溶接ルート部など種々の利用可能な閉空間に封入した場合の機能発現性について様々な角度から検証すると共に、ペースト粘度や粒子の材質・粒径など、機能発現に影響する諸因子について実験的に検討し、更に
はき裂内物質のくさび効果によるき裂遅延現象の解析モデルを構築して、耐疲労スマート材料の適用性を向上させ、機能発現の影響因子について明らかにすることを目的としている。
H26年度は、前年度に引き続きスマートペーストをボルト穴及び溶接ルート部に封入した場合の疲労試験を行い、き裂の検出及び進展抑制機能について検証した。その結果、ボルト穴への適用については明瞭な発色及びき裂進展抑制効果（最大で5.1倍以上）が確認され、ペーストの適用仕様（適用箇所や塗布厚）によって効果の現れ方が大きく異なることや、低応力レンジ側で進展抑制効果が大きくなることが判明し、結果をまとめて論文投稿すると共に、国内優先権主張出願を行った。一方、溶接ルート部への適用についても明瞭な発色及びき裂進展抑制効果が確認され、3.8倍の寿命延伸効果が得られた。そのほか、粒子の材質・粒径に関する実験的検討を行い、基礎的なデータを取得した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペースト粘度の影響をみるのはH26年度以降の計画だったが、H25年度に前倒しして実施した。H26年度は、引き続きスマートペーストをボルト穴や溶接ルート部に封入した場合の疲労試験を行い、き裂の検出及び進展抑制機能の発現を確認した。また、粒子の材質や粒径に関する検討も行った。このほか、付随的な成果として、高チクソ性粘性流体の塗布によるき裂の目視検出効果を実験的に確認することができた。FEAによるき裂進展遅延現象の解析モデル構築が残されているが、これについてはH27年度に実施する予定である。
以上、実施計画の順序を入れ替えた部分はあるが、種々の実験を通して貴重な研究成果が得られ、論文発表や特許出願も適宜行っており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、実施計画のうちで残されている課題として、スマートペーストをマイクロカプセルに封入した場合の疲労試験や、FEAによるき裂進展遅延現象の解析モデル構築、影響因子検討の追加試験などを実施する予定である。また、研究の最終年度に当たるので、これまでの成果をまとめ、論文発表や特許出願に適宜結びつけていく所存である。
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| Causes of Carryover |
論文掲載時期が未定だったため論文掲載料として留保していたが、掲載が次年度になったため残った。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度の論文掲載料として使用する。
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