2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25420041
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小柳 潤 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60386604)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 三軸織物CFRP / 画像相関法 / 周期セルシミュレーション / 複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
三軸織物CFRPは,炭素繊維束を60度に交差して織り込んだ後,樹脂を含浸・硬化させて作られる,比較的歴史の浅い織物複合材料である.極めて薄く成形することが可能で,膜状の特性を疑似的に有し,超軽量で柔軟かつ成形の自由度が高いという特徴をもつ.これらの独特の特徴がここ十数年で注目され始め,各種の研究が行われている.このような特徴を利用することにより,展開構造を担う部材としての適用が可能であり,宇宙衛星の伸展アンテナとしての利用が検討されている.三軸織物CFRPを使用する上で,その機械的特性の把握は必須であるが,材料の構造が複雑なため,応力ひずみ関係や長期耐久性等の基本となる物性が正確に得られていない.織り構造に起因するひずみの局所化を考慮した機械的特性の発現を理解することが望ましい. ひずみの局所化を議論する上でそれが困難な理由の一つとしてひずみゲージによる点での計測が難しいことが挙げられる.本研究で用いる三軸織物CFRPは,一つの穴の直径が約2mmと,ひずみゲージより小さい.本材料のひずみの評価には全領域のひずみ測定が望ましい.その手法としてはデジタル画像相関法(Digital Image Correlation : DIC)が挙げられる.DICを用いた全領域ひずみ測定は近年急速に広がりつつあるが,カメラさえあれば測定できるところがDICの魅力の一つでもある. 本研究では,三軸織物CFRPを有限要素法により忠実にモデル化し,引張負荷を与えたときのひずみ分布をDICにより得られたそれと比較し,ひずみの局所化を実験・解析の両面から明らかにする.三軸織物CFRPの解析において,周期境界条件を有するユニットセルを想定し,それを構成する楕円柱型CFRPをモデル化する.その後,接触解析を行い織り構造をシミュレートし,接触しているCFRP同士をCohesive 挙動により接着させる.続いて実験と同様の巨視的ひずみを与え,ひずみの局所化を解析し,実験結果と比較した.
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