2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420042
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Research Institution | National Traffic Safety and Environment Laboratory |
Principal Investigator |
松井 靖浩 独立行政法人交通安全環境研究所, その他部局等, 研究員 (00426230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282159)
山本 創太 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80293653)
一杉 正仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体力学 / インパクトバイオメカニクス / 交通事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は(1) 自転車乗員の事故に至る要因を明らかにし,(2) 自転車乗員の認知判断行動特性を明確にすることである. (1) では,全国と比べ東京都は特に自転車交通事故の発生頻度が高いことから,三鷹警察署と連携することで,東京都三鷹市で発生した自転車交通事故を調査した.2013年1月~12月に発生した自転車交通事故250件を調査対象とした.その結果,事故発生月は,4月と12月が特に多いが,その他の月も常時発生しており,曜日単位では月曜から金曜が多く,時刻帯は午前と午後に集中しており,8時台が最多であることが判明した.路線は,市区町村道路の小さな通りが多く,加害者の6割は車両であった. 更に,三鷹市内において事故が多発する交差点に着目して,朝の通勤時間帯の自転車256台の走行状況を調査した.その結果,サイクリストが一時停止せず,所定の走行速度で左側を走行し,かつ建物により直行する優先道路上を走行する車の視認性が遮られる場合,交通事故の発生する可能性の高い状況となることが予想され,これまで詳細な状況が不明であった自転車の交通事故発生メカニズムが明らかとなった.本成果は,三鷹警察署に報告し,三鷹市役所において現状の道路における改善策検討のための基礎資料となり得た. 2) では,仮想現実化技術により,自転車乗車中の運転者の認知判断行動特性を評価するための自転車運転シミュレータシステムを開発した.本システムでは,3枚の100インチスクリーンを介して自転車運転者の正面,右側および後方にVR環境が投影される.自転車としてエアロバイクを活用しているが,通常の自転車と同等のハンドル位置となるよう改良を行った.高齢自転車運転者(高齢実験参加者)に協力をいただき,車両が接近する片側一車線の道路を自転車で横断するタイミングを調査するための実験を試行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体について当初の予定どおり実施できている.
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Strategy for Future Research Activity |
全国交通事故統計データを用いて自転車事故による頭部傷害内容,頭部傷害を誘発した加害部位を調査する.自転車モデルを作成し,自転車乗員と車両との衝突シミュレーションを実施する.本年度試作した仮想環境下において,模擬道路上に車両を走行させ,自転車の走行レーンを変更する際の自転車運転者(実験参加者)の挙動を調査する.さらに,車両から死角となる方向からの自転車接近状況における自転車乗員の進行判断を調査可能なシミュレータの改良を試みる.
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Causes of Carryover |
研究分担者(秋田大学)が,金額を100円単位で使用せず端数が残存した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度,端数を使用予定.
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