2013 Fiscal Year Research-status Report
ピコ秒レーザによる単結晶ダイヤモンド工具刃先成形とテクスチャリングによる長寿命化
Project/Area Number |
25420043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山本 武幸 茨城大学, 工学部, 技術職員 (40396594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 淳 茨城大学, 工学部, 教授 (40292479)
周 立波 茨城大学, 工学部, 教授 (90235705)
小貫 哲平 茨城大学, 工学部, 准教授 (70400447)
尾嶌 裕隆 茨城大学, 工学部, 講師 (90375361)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノマイクロ加工 / レーザ加工 / ダイヤモンド工具 / テクスチャ / 切削 |
Research Abstract |
精密切削用単結晶ダイヤモンドバイトの先端は,現在でも職人の手によるダイヤモンド砥粒を用いた研磨(研削)により製作ないし再研磨されている.本研究では,それ対する超短パルスレーザによるアブレーション加工の実用性を明らかにする.そこでは,得られたダイヤモンドバイトにより合金材料を実切削し,工具形状転写性や耐摩耗性などの性能評価も試み,本手法の有効性を明らかにする.さらに,潤滑性向上のために超硬工具などでは試みられている工具表面へのマイクロテクスチャリングを,超短パルスレーザを用いて単結晶ダイヤモンドバイト表面にも導入し,まだ検討も解明もされていないダイヤモンド切削工具表面におけるマイクロテクスチャリングの効果も明らかにする.H25年度は,まず,ピコ秒パルスレーザによる単結晶ダイヤモンドへの溝創成データベースの取得について検討した.それには所有のピコ秒パルスレーザ加工システムを用いるが,単結晶ダイヤモンドバイトの先端形状創成における位置決めを精密に行なう必要から,新たに精密XYステージを導入し,精密走査が可能なように改良した.そうした上で,パルスエネルギーおよび走査速度(パルス重複率),走査回数および焦点深さ方向への送りといった加工条件を変化させながら検討し,それらの条件が加工レートおよび溝の形状と寸法および精度に及ぼす影響を明らかにし,データベースを作成した.さらに,単結晶ダイヤモンド工具先端の成形の試行として,前述の加工データベースから,比較的加工レートが大きくかつ加工品位も良好となる条件を抽出し,実際に焦点深さや送りを変えながら無数に往復走査することにより,単結晶ダイヤモンドバイト先端の形状創成を試みており,単純なバイト先端形状であれば,十分に創成できることも明らかにしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度の研究計画に記載したように,微小位置決めステージを配したピコ秒レーザ加工システムを構築した上で,単結晶ダイヤモンド試料に対し,エネルギーおよび走査回数,深さを変化させつつレーザ加工し,溝創成データベースを取得した.さらに,その知見をもとに,平バイト形状の工具を創成したことから,おおむね順調に進行していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度に得られた加工データベースからの知見を生かし,先端形状創成が済んだ単結晶ダイヤモンドバイトのすくい面に対し,直線や格子溝などのテクスチャをレーザ加工する(深さ>10μm,溝幅>10μm,溝周期>100μmで数種の組合せを検討).次いで,H27年度にテクスチャ付き工具により実切削加工するための準備も兼ねて,H25年度(一部はH26年度に追加)に成型した単結晶ダイヤモンドバイトを用い金属の精密切削を行い,レーザ成型したバイトによる加工性能を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一つ目は,H25年度に購入予定していたものの,H25年度の研究結果をみてから倍率等を決定し導入した方が好ましい研究結果が得られると判断した対物レンズの購入である.二つ目は,その対物レンズを導入してから,H26年度に追加した方がよいと判断した一部の追加実験に対する学生アルバイトの利用である. 対物レンズの購入,および学生アルバイトの利用により研究を遂行し,可及的速やかに予算執行する方針である.
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