2014 Fiscal Year Research-status Report
微細表面テクスチャを有する低侵襲医療用工具の開発に関する研究
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25420053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎本 俊之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20403149)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 研削加工 / 加工熱 / 医療機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,骨組織切除時における熱の発生を大幅に抑制できる医療用研削工具-ダイヤモンドバーを開発することを目的に,研究活動を行った.昨年度の研究で,骨の主たる構成成分であるヒドロキシアパタイトとコラーゲンが骨切除時の発熱に大きく影響を及ぼしており,それら成分と冷却水分中のイオンとが反応することで,骨の切りくずが切除用工具の表面に強固に付着することが発熱の要因であることを明らかにした. そこで今年度は冷却水が切除用工具表面に到達することそのものを抑制するために,超撥水機能を発現する工具を新たに開発した.超撥水化処理の手法について様々に検討した結果,フッ素系樹脂をバインダに用いてPTFE微粒子を工具表面に被覆することで,骨切りくずの工具表面への付着をほぼ完全に防げることを見出し,その開発工具を用いることで骨切除時の発熱を抑制することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は前年度の研究成果をもとに,骨切除時の発熱を抑制できる医療用工具の提案および開発を目標にしていたが,実際にいくつかの新たな工具を試作し,そして発熱をほぼ抑制できる工具の開発に成功できたため,おおむね順調に進展できたと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題である低侵襲医療用工具の開発において,骨切除時の発熱を抑制できる医療用工具を開発することはできたが,実際の術時を想定すると,供給できる冷却水の量が極めて少ない場合でも同様の効果を得ることができ,またこうした効果をより長い時間持続させる必要がある.そこで今後,様々な条件下における骨切除実験を実施し,新たな工具の設計および開発を行っていく.
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Research Products
(1 results)