2015 Fiscal Year Annual Research Report
厚肉小径管の鞍反りと連続シュー成形を併用した新加工法の確立
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25420055
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長町 拓夫 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (60208048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 英徳 香川大学, 工学部, 准教授 (30314412)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成形加工 / 塑性加工 / 圧延 / 鞍反り / パイプ / シュー成形 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き,薄板の異径圧延による鞍反り成形の検証を行った.初期板厚が0.1mmのSPCD材およびSUS304材を供試材とし,同周速,異周速圧延について,上下ロールのロール径比が3,圧下率が1%~20%について,長手方向カール量,鞍反り量を実験実験により測定した.また成形プロセスの有限要素シミュレーションを行い,鞍反りの発生メカニズムを考察した.その結果,曲率の値はいずれの条件の場合も,圧下率Rrの増加とともに曲率は急激に増加し,Rr =2%付近で最大値を示した.しかし,Rr > 3%で急激に減少し,Rr = 6%で曲率がほぼ0の極小値を示した.Rr > 7%では再び急激に増加し,Rr = 12%で極大値を示し,Rr > 12%では再び減少した.異径ロール圧延の考察に先立ち,同径ロール同周速圧延でRr =3%の条件の計算を行った.算出された相当塑性ひずみ速度の分布により,板厚中央面両端付近で非変形領域が見られ,変形の大きい領域はX形状に分布することを明らかにした.成形を追って考察すると,まず素板は圧延ロールと接触を開始し,接触開始位置はロールの傾きが大きいので,素板はこの位置で急激に圧縮・せん断され,大きなひずみ速度が生じる.その位置を起点とするすべり線を考えると,そのすべり線に沿った領域も,起点につられて大きいひずみ速度が生じる.つまり,接触開始点を起点とするすべり線に沿った大きなせん断変形が際立ち,変形領域がX形状に分布する.異径ロールによる非対称冷間圧延では,圧下率の増加(素板とロールとの接触長さの増加)とともに長手方向の反りの曲率は周期的に増減する.この現象を,小径ロールとの接触開始位置における大きな変形が,すべり線に沿って伝播するという仮説を立て証明した. 長手方向に大きく反った板を真っ直ぐにすると,幅方向に曲率が生じる.その幅方向の曲率半径が小さいほど,シュー成形において高精度な小径管の成形が可能となった.
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Research Products
(1 results)