2013 Fiscal Year Research-status Report
小径ボールエンドミル加工での工具のたわみと摩耗による加工誤差のリアルタイム補正
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25420058
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kagoshima University |
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Principal Investigator |
近藤 英二 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (10183352)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 加工誤差 / エンドミル加工 / 切削抵抗 / 工具振動特性 / 工具たわみ |
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| Research Abstract |
本研究は、小径ボールエンドミル工具を用いた金型の加工精度の向上を目的とし、小径ボールエンドミル工具による加工中の切削抵抗から工具先端のたわみ量と工具摩耗量を推定し、得られた工具先端のたわみ量と工具摩耗量の推定値から加工誤差をリアルタイムで補正するシステムを開発することを目標としている。
本年度は、加工中の切削抵抗からエンドミル工具先端のたわみ、振動振幅を推定するために必要なエンドミル工具系の自由振動のパラメータを正確に求める方法を提案し、自由振動のパラメータを求めた。その結果、２枚刃のエンドミル工具単体の静剛性は方向差あり、工具単体の自由振動パラメータは２自由度系とする必要があること、また静剛性に方向差のない４枚刃のエンドミル工具であってもスピンドルヘッドを含めたエンドミル工具系の自由振動のパラメータに方向差があった。従って、切削抵抗からエンドミル工具先端のたわみ、振動振幅を正確に推定するためには、エンドミル工具単体の自由振動特性は、工具と共に回転する座標系で、スピンドルヘッドを含めたエンドミル工具系の自由振動特性はマシニングセンタの固定座標系で表現することが必要であることが分かった。
以上のことから、ここではエンドミル工具系の自由振動を周波数応答関数の形で求めておき、これを用いて切削中の切削抵抗からエンドミル工具先端の振動振幅を推定する方法を提案し、その有効性を切削実験により調べた。実験では切込みを一定とし、切削の進行に伴って主軸回転速度を一定割合で増加させた。また得られた動的切削力と工具振動変位から動的切削力に対する工具振動変位の周波数応答関数を求めた。得られた周波数応答関数は、工具系の加振実験で得られた周波数応答関数とほぼ一致した。また加工誤差は、断続切削による動的切削力の主要成分の周波数が工具系の固有振動に近くなる主軸回転数で大きくなる傾向が見られた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小径ボールエンドミル工具の先端位置での自由振動特性の測定については、計画ではボールエンドミル工具振動系を工具先端に集中質量を持つ１自由度系と仮定し、振動解析システムを用いて固有振動数と減衰比を求めること、またボールエンドミル工具を回転させない状態で工具先端を被削材に押し当て、工具の微小な移動量に対する反力（切削動力計で測定）から工具振動系のばね定数を決定し、また等価集中質量は固有振動数とばね定数から求めるとしていた。本年度、上記の内容について全て検討したが、結果としてエンドミル工具系の振動特性は非常に複雑で、簡単な１自由度系でのモデル化は困難であることが分かった。
動的切削力による工具先端の振動変位の推定については、計画では切削実験で動的切削抵抗とボールエンドミル工具の振動を同時測定し、また切削実験後に加工面の形状を測定し、エンドミル工具の振動変位との関係を調べること、実験で得られた動的切削力の測定値を用い、数値計算でデュアメル積分を行い、エンドミル工具先端の振動変位の推定値を求め、切削実験で同時測定したエンドミル工具の振動変位の測定値と比較することで、提案した方法の有効性を検証するとしていた。本年度、上記の実験と計測については全て実施した。しかしながら、エンドミル工具の振動系が複雑で、簡単な数学モデルが得られなかったため、当初の予定を変更して、実験で得られたエンドミル工具系の周波数応答関数を用いて加工誤差を推定する方法を提案し、その有効性について調べた。その結果、動的切削力と工具の振動変位から求めたエンドミル工具系の周波数応答関数は、インパクトハンマを用いて求めた周波数応答関数とほぼ一致すること、また加工誤差は、断続切削による動的切削力の主要成分の周波数が、周波数応答関数のピークに近いところで大きくなることを確認した。
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| Strategy for Future Research Activity |
小径ボールエンドミル工具であれば、工具先端位置での自由振動特性に及ぼすスピンドルヘッドの影響は小さいと予想していたが無視できないことが分かった。従って、このことを前提として動的切削抵抗とエンドミル工具系の振動特性からエンドミル工具先端でのたわみ、振動振幅を推定する方法を改めて検討し、その有効性を実験により検証する。平成２６年度に予定している小径ボールエンドミル工具切れ刃の局所逃げ面摩耗幅の基準化と切削抵抗による切れ刃の局所逃げ面摩耗量の推定は、エンドミル工具系が振動しない、安定した切削での切削抵抗（静的切削抵抗）を用いるため、２５年度に行った動的切削力による工具先端の振動変位の推定で完了できなかった内容と並行し、予定通り実施する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ予定通りに予算を執行したが、僅かに残金が残った。
物品費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
