2015 Fiscal Year Annual Research Report
ナノレベルの超精密平面加工用工作機械におけるボールねじの熱膨張と微振動の抑制
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25420072
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大塚 二郎 静岡理工科大学, その他部局等, 教授 (30016787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 孝志 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (20548888)
十朱 寧 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60288404)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノレベル / ボールねじ / 熱膨張 / 微振動 / 圧電素子 / 冷却 / 位置決め装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノレベルの加工技術を実現するためには、ナノレベルの高精度位置決め装置を必要となっている。近年、高精度位置決め装置にはボールねじが使われているが、ボールねじの構造に伴う原因で、熱膨張と微振動が発生し、そのため、ナノレベルの位置決め装置がなかなか作れない。そこで、本研究では、熱膨張と微振動を抑え、ナノレベルの位置決め装置の実現を目指して、下記のような研究を行ってきた。 (1)8条ボールねじをを搭載する高精度位置決め装置を設計・製作した。送り分解能制御実験を行った結果、分解能がナノレベルを有することが分かった。 (2)ボールねじの騒音は、ボールがねじ溝面を転がるときやチューブなどの循環部品を通過するときに発生する騒音、機械装置に取り付ける際の平高度や直角度などの精度不良によって発生する騒音、ボールねじを含めた機械系全体の共振によって発生する騒音の3つが主な騒音であるとされている。特に、従来の研究から騒音発生の寄与率が高い部位はチューブであるということがわかっている。研究では、ボールねじのチューブに圧電素子を装着してアクティブ制振を行った結果、まず、ボールねじアクティブ制振の基本システムが完成した。続いて、ボールねじチューブの振動(1.85kHz付近)を抑制することができた。さらに、ナットの送り速度が10[mm/s]から50[mm/s]までは、チューブの変位量が0.1[μm]未満であると分かった。 (3)熱膨張抑制研究では、ナットに取り付けられる高冷却性の2種類、即ち、二条状流路および往復流路を持つ水ジャケットを設計・製作した上。水温調整できる恒温槽を用いる冷却実験を行ったところ、モータ回転数800rpmの場合に、二条状水ジャケットの冷却性性能が高く、ボールねじ300mmでの熱膨張が2.7μmに抑えた。また、往復流路より、二条状水ジャケットの冷却性能が優れたことも確認できた。
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Research Products
(3 results)