2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design Optimization of Progressive Additional Spectacle Lenses
Project/Area Number |
25420100
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
柿本 正憲 東京工科大学, メディア学部, 教授 (20537683)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 眼鏡レンズ / 焦点ボケ / 像歪み / 最適化 / 形状モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度(平成28年度)は、より現実の眼鏡レンズに近い曲面定義によりレンズ表面形状の最適化を行うソフトウェアを開発し、多目的関数を使った最適化実験を行った。さらにレンズ表面の重要度に応じた重みづけを反映する最適化を行った。 平成29年度上半期は、このような最適化実験結果を日本眼光学学会において発表した。目的関数として(1)重み付平均ボケ量および(2)レンズの平均厚みの2つを設定し、これらの最小化を図り、設計変数としてレンズ表面形状の曲面を決定する制御点座標を設定した。累進焦点レンズにおいて重要な指標として装用時の像歪みの極小化があり、学会において眼鏡レンズ設計者からも像歪み評価の重要性が改めて指摘された。これを踏まえ、29年度下半期では像歪みの定量化を考案し、情報処理学会において発表を行った。 本研究の研究期間全体での成果は次のとおりである。先行研究での眼鏡レンズ装用時の見え方シミュレーション手法について、すでに国際学会や国際ジャーナルにて発表した技術をACM SIGGRAPH 2015に採択されたコース(チュートリアル)にて発表し、本研究の課題である設計最適化についても今後の課題として言及した。その後目的関数の検討や曲面形状作成ソフトの開発を経て、平成29年には前述のように多目的最適化実験結果を発表し、さらに像歪み定量化によりレンズ表面各標本点での歪み量可視化を行い実験結果を発表した。このように、ボケ量の最小化と歪み量の最小化という累進焦点眼鏡レンズ設計における最重要の2項目を最適化に活用する目処をつけた。 今後の研究の展開については、これら最重要の2つの目的関数を組み込んだ最適化実験が必要である。相反する2つの目的関数の最小化手法を高性能計算機を用いて実現し、現実の眼鏡レンズ設計において活用できる成果を得る計画である。
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Research Products
(2 results)