2014 Fiscal Year Research-status Report
超音波によって発生する音響流中のマイクロバブルや固体粒子の挙動と指向性の解明
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25420109
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
太田 淳一 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20168941)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 / 気液二相流 / 音響放射力 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマイクロバブル(以降MBと称する)を含む気液二相媒体に超音波を照射する際,多次元流れの基礎研究に関するものである この現象を利用し,容器外部から超音波を照射すると混相媒体の局所に非接触の流れや非接触の移動や分散が可能である.MBや固体粒子を含む混相媒体の音響流の指向性(空間的分布)や粒子の特異な挙動について調べ,今後の応用の基礎を固めるものである. 上部開放の矩形形状の内部に円筒容器に固体粒子あるいはマイクロバブルを混ぜた水を満たし,容器の底面につけた超音波用振動子から,周波数(98 kHzあるいは3.5MHz)の超音波を鉛直上向きに照射した.固体粒子やMBはサイズが似ており,画像から識別が困難である.ある蛍光粒子は液体と同じ速度で移動するので液体の流れを測定できる(トレーサー粒子).対象粒子(MB等)と液の流れを測定する.すなわち,液体にMBと蛍光粒子を混ぜ,約530nmの波長(緑)のYAGレーザー光を照射した.レーザー照射時のMBと蛍光粒子の散乱波長と発光波長の違いにより,前者は緑から青の光を蛍光粒子は赤い光を発する.平成26年度は,平成25年度に開発した色相角の違い利用して,対象粒子(MBなど)と蛍光粒子を識別するアルゴリズムにより,前者だけと後者だけの画像に分け,別々にPIV(輝度分布相関法)や画像処理で液と対象粒子の速度測定ができた. 本研究の測定の空間分解能の範囲内で,超音波照射時にマイクロバブルの運動によって引き起こされる周囲液の運動と周波数98 kHzの超音波照射でできたキャビテーション気泡運動によって引き起こされるそれが異なることを示すことができ,MB挙動の特徴が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
液相とマイクロバブルの流れを計測する実験装置を改良した.液相とマイクロバブルを同時に流す実験を行って取得した画像に対して液相と気体相(MB)の流れを同時に計測するアルゴリズムとプログラムを適用し,実験データを取得した.周波数96kHzについてMBと液相の速度を各々同時に計測できた.また,超音波照射によって生じるキャビテーション気泡と液相の速度も同時に測定し,多数のデータを蓄積できた.また,MB挙動の特異性の実験データが得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針は次のとおりである. 境界条件や超音波周波数の影響 境界条件や超音波周波数が音響流の指向性に及ぼす影響およびMB運動への影響を測定して調べる. MBの流動状況と挙動 MBの二次元的な流れ場を明らかにする.また,MBを含む流れの進行波と逆に流れる逆流条件(諸条件,空間条件)を調べる. 力の評価 MBとトレーサ粒子の変位を高速度ビデオで測定し,変位ベクトル等の時間・空間変化を明らかにする.さらに,MBや粒子には超音波放射力が直接作用する力,粒子の間で働く超音波放射力(2次放射力),超音波によってできる音圧分布によって粒子に働く力(これは超音波の指向性関数の式によって空間分布が存在する),流体力,重力や浮力から,各々力のオーダーを調査し,支配的な力を抽出する.実験と力の評価値から現象を支配する無次元数が出てくるので,現象を無次元パラメータで整理する. これまでの成果を総合して,本研究のまとめを行う.
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Research Products
(3 results)