2014 Fiscal Year Research-status Report
超親水性ブラシと表面との相互作用およびナノパーティクル除去メカニズムの解明
Project/Area Number |
25420112
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
真田 俊之 静岡大学, 工学研究科, 准教授 (50403978)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PVAブラシ / 洗浄 / 濡れ性 |
Outline of Annual Research Achievements |
超親水性を有するPVAブラシの摩擦特性について、特に、ブラシの粘弾性と対象物の濡れ性に着目して研究を行った。その結果、PVAブラシに設置されているノジュールの役割について説明することができた。すなわち垂直荷重に依存する摩擦力を増加させるために、粘弾性を有するノジュールを衝突させることによって、垂直荷重が非定常的に増加することを示した。それに伴って摩擦力の増加も実験から確認した。なおその垂直力の緩和時間は数秒程度と非常に長いことが明らかになった。またその粘弾性の影響を無視できるように、垂直荷重を十分緩和させた後の摩擦試験によって、PVAブラシは速度の増加に伴い摩擦力が減少することを示した。その際の摩擦係数は0.5から1.0程度であり、PVAブラシと表面は局所的に接触しており、その真実接触面積が時間と共に増加する系であることが示された。すなわち、従来提案されている、流体潤滑に伴うスライディングによる粒子除去モデルは、現実とは異なることが予想される。 また、実機に近いロールブラシで観察された、摩擦力に及ぼす対象物表面の濡れ性の影響は、単一ノジュールの摩擦試験では観察されず、単一ノジュールをロールブラシ先端で衝突させる際にのみ観察される現象であることが示された。ロールブラシの衝突の高速度撮影結果から、この摩擦力の濡れ性依存は、ブラシが衝突する際に、ブラシから出入りする水の影響を強く受けていることが示唆された。この結果より、対象物のゼータ電位によって説明されていたPVAブラシと表面との付着は、対象物表面の濡れ性で整理できることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロールブラシおよび単一ノジュールの摩擦特性をある程度解明できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で明らかにされたブラシの粘弾性とPVAスポンジの構造の関係を明らかにする。特に含まれる水の挙動に着目する。 また、対象物に付着させた不純物の除去性から除去モデルを構築する。
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Causes of Carryover |
次年度作成予定の粒子付着力測定装置の消耗品に使用するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
微細粒子の付着力測定のための消耗品を購入
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